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はじめに:「うちの子ファースト」を例にして
子を持つ親なら誰だって「うちの子ファースト」だろう。家族を持つ人なら誰だって、「家族ファースト」だろう。同様に、その国の国民に選ばれた政治家ならば当然「自国民ファースト」だろう。それは決して排外主義などではなく、民主的に選ばれた政治家ならば当たり前の健全なナショナリズムだと理屈コネ太郎は思う。
日本人ファーストが、排外主義でない理由を冒頭の心情的理由だけでなく、日本の法律に多数銘記された文章から、当然の法治の理念である事を本記事では明らかにしたい。
第1章:「日本人ファースト」という言葉への誤解
「日本人ファースト」という言葉に、あなたはどんな印象を持つだろうか。ある人は排外主義的だと感じ、またある人は過激なナショナリズムの表現と受け取るかもしれない。
だが、冷静に法制度の枠組みから見れば、この言葉はきわめて自然で穏健な政策原理であることは自明である。本記事では、日本の憲法・法律・判例に照らして、「日本人ファースト」という考え方がいかに制度的に正当かつ合理的であるかを、感情ではなく条文と論理で説明する。
「排外主義」と「国民優先」は、まったく異なるものである。この区別を曖昧にしたまま語られる議論が、社会の冷静な制度理解を妨げている。本稿ではその混同を一つ一つ解きほぐしていく。
第2章:国民の代表とは誰か ― 憲法が示す「全国民の代表」原理
日本国憲法第43条第1項にはこうある:
「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを構成する。」
ここにある「全国民」とは、日本国籍を持つ者、すなわち「日本国民」を意味する。これは、選挙制度や国籍法の体系において一貫して確認されている前提であり、国会議員の職責は、日本国民の意思と利益を代表することにある。
さらに憲法第15条第1項には、次のように定められている:
「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」
この条文は、国政に参加する権利が「日本国民」に限定されていることを明確に示している。したがって、外国人に国政レベルでの参政権(選挙権・被選挙権)を付与することは、憲法構造に反する。
実際に最高裁判所は、平成7年(1995年)2月28日の判決において、「外国人に対して国政に関する参政権を認めることは、憲法上許されない」と明言している。
つまり、外国人参政権を認めるには、憲法改正が必要となるのである。
第3章:国民にだけ保障されている権利の数々 ― 条文で見る「国民ファースト」の構造
日本国憲法は、「人権は普遍的」という理念のもとに制定されたと誤解されがちだが、実際の条文を見ると、重要な社会権や自由権の多くが「国民」に限定されている。
生存権:
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」(憲法第25条)
幸福追求権:
「すべて国民は、個人として尊重される。」(憲法第13条)
さらに、生活保護法第1条では、対象をこう限定している:
「この法律は、日本国民に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行うことにより…」
こうした明文規定は、「国民の権利が国家の義務の出発点である」ことを制度的に確認している。「まず日本国民を助ける」ことは、単なる感情論ではなく、法の設計思想そのものと言えるだろう。
国家予算、すなわち税収の原資は主に日本国民が納めた税金である。したがって、その使途において「まず日本国民の生命や生活の保障に用いる」というのは、民主的な財政原則(=納税者原理)からしても当然のことである。
この原則は単なる道徳的優先ではなく、民主主義制度の根本的な財政構造と整合している。「納税の義務を負う国民が、まずその果実を享受する」ことを否定してしまえば、民主政治における財政的インセンティブも制度的信頼も崩壊する。
第4章:判例が明確にした「外国人は権利主体ではない」という線引き
平成26年(2014年)7月18日の最高裁判決は、外国人の生活保護に関する請求について、次のように判断した:
「外国人に対して生活保護法に基づく保護を受ける権利は認められない。ただし、厚生労働大臣の裁量により準用は可能である。」
つまり、日本国民には法的権利として保障されている生活保護も、外国人にとってはあくまで「行政の便宜的措置」にすぎない。
また、前章で触れた平成7年の判決でも、最高裁は「国政における外国人参政権は、憲法上許容されない」と明確に述べている。
こうした判例群は、国家の第一義的な法的責任が「国民」に対して向けられていることを、司法の場でも一貫して裏付けている。
第5章:国際人権規約も「国民優先」を認めている
しばしば「外国人の参政権は人権である」といった誤解が広まっているが、これは国際的にも根拠がない。たとえば、国際人権規約(自由権規約)第25条には次のように明記されている。
Article 25
Every citizen shall have the right and the opportunity, without any of the distinctions mentioned in article 2 and without unreasonable restrictions:
(a) To take part in the conduct of public affairs, directly or through freely chosen representatives;
(b) To vote and to be elected at genuine periodic elections which shall be by universal and equal suffrage and shall be held by secret ballot, guaranteeing the free expression of the will of the electors;
(c) To have access, on general terms of equality, to public service in his country.
ここで明示的に “citizen”(市民=国籍保有者)とされている点が重要であり、参政権が「外国人を含む人権」ではないことが国際条約レベルでも確認されている。
つまり、国政における選挙権・被選挙権を外国人に付与しないことは、国際的にも正当化されており、「人権侵害」ではない。
第6章:「排外主義」ではなく「制度的優先」の原理
「日本人ファースト」と聞くと、「外国人を排除する考え方」と結びつけてしまう人がいるかもしれない。これはいささか短絡的であり、本来の意味とは異なる。
「日本人ファースト」とは、単に国家政策の優先順位として「まず自国民を守る」という、主権国家において当然の原則を述べているにすぎない。
それは、親が「まず自分の子を守る」のと同じ構造であり、それによって他者を攻撃するものではない。
国際比較表:各国の自国民優先政策
国名 | スローガン・制度の内容 |
---|---|
アメリカ | America First(アメリカ第一主義) |
フランス | Les Français d’abord(フランス人をまず第一に) |
ドイツ | Sozialhilfe:国籍・居住歴に基づき社会保障を制限 |
デンマーク | 永住者の福祉制度参加には居住期間などの厳格条件あり |
各国とも「人道支援」と「国家責任の線引き」を制度的に両立させている。日本だけがそれを拒む理由はない。
第7章:緊急事態における優先原理 ── 戦時・災害時に国家は誰を守るか
「日本人ファースト」という原理は、平時の福祉政策に限らず、戦争や災害といった国家の危機管理の場面において最も強く要請される。
たとえば、自衛隊法第84条の4では、次のように定められている:
「我が国の在外邦人の生命又は身体に危害が及ぶおそれがあると認めるときは、自衛隊は防衛大臣の命令により、当該邦人等の輸送を行うことができる。」
この条文は明確に、「外国で危機に直面した日本国民の生命を守るために、自衛隊が出動する」という制度的枠組みを定めている。これこそが、戦時・有事における「日本人ファースト」の具体的な現れである。
また、政府の「国家安全保障戦略」文書にも、常に「国民の生命と安全の確保」が最上位目標として明記されている。
戦争状況において、自国民の保護・救出を最優先としない戦闘行動など、制度的にも道義的にもありえない。
これは「偏った思想」ではなく、国民国家という枠組みそのものがそうであるという当然の設計原理なのだ。
結語:国民国家の法秩序を支える“当たり前”
グローバル化や人道主義が進む現代においても、「まず自国民の生命と権利を守る」という立場は、国家が存続するうえで不可欠の柱である。
「日本人ファースト」は、他者を否定するスローガンではなく、国家の制度と責任の根幹を素直に言語化したものにすぎない。必要なのは、感情的な批判ではなく、憲法と制度への冷静な理解である。
たとえ国際的な人道支援が重要であっても、それは「まず自国民を守った上で可能な範囲で行う」ものであり、それを逆転させる発想は、憲法体系にも国家実務にも整合しない。
日本が民主主義で法治国家である限り、「日本人ファースト」は自然で穏健な政策的帰結であり、その正当性は、法制度によってすでに裏付けられている。
もし、国の国民に対する最低限の義務である「日本人ファースト」を否定する職業政治家が「日本人を守る」などと言ったとしたら、それはいったい日本人を何から守るという意味なのだろう。理屈コネ太郎には全く意味がわからない。世の中は、わからない事ばかりである。