「医者は金持ち…は嘘」は半分だけ本当

「医者は金持ち…は嘘」は半分本当
「医者は金持ち…は嘘」は半分本当

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「医者=金持ち」という古いステレオタイプの再検討

近年、「医者は金持ちとは限らない」と気づく人も増えてきました。
とはいえ、「医者は金持ちではない」とまで断定するのは正確ではありません。
現実には、金持の医者も確かに存在するのです。

医者=金持ちという陳腐なステレオタイプについては別記事で論じたので、こちらの記事をご参照ください。
本稿では、「どういう医者が金持ちなのか」について、理屈コネ太郎の肌感覚をもとに整理してみます。


医者の経済状況をめぐる複雑な現実

「医者=金持ち」は完全に誤りとも言えませんが、複数の要因が交錯していて、単純な図式では整理できません。

たとえば、子供の教育には多大な時間と費用がかかるため、医者の親が金持ちであるという傾向は確かに存在するようです。特に、親世代が医師だった場合、その頃の医業は比較的高収益であったため、資産を持っているケースが多いのです。

かつて開業医が「儲かる職業」だった時代があったことについては、前記の別記事でまとめていますのでご参照ください。


医者を目指す家庭が抱える投資とリスク

筆者の周囲には、会社員の親が老後資金を切り崩して子供の医学部学費を出し、その子供が後に親に返納している事例が複数あります。

この構図が成立するためには、以下の2つの前提条件が必要です:

  • 国民皆保険制度が今後も存続し続けること

  • 医者になった子供が保険医として一人前になること

国民皆保険制度が維持される可能性は高いですが、保険医としてのキャリア形成には非常に高いハードルがあります。

医師の修行と序列文化

どの診療科であっても、保険医として一人前になるには“修行期間”が必要です。
その過程には、他業種同様の理不尽で非合理なヒエラルキー文化が存在します。

このような序列社会を嫌い、保険医という道を回避する医学生も一定数存在します。最近では、医学部卒業して医師免許を取得し、初期臨床研修を終えるとすぐに美容医療に針路を求める医師が増えてきました。美容医療は基本的に保険診療の外側の医療なので、市場原理に従って所得を得る事が可能だと考える医師が増えたのでしょう。


医師になっても返済しない・窮乏するケースも

もう一つのリスクは、医師になった子供が親からの学費援助を返納せず、自分と家族のためだけに所得を使うようになるケースです。

また、自由診療でも成功できず、他のビジネスにも不向きだった医師が、学費返済や生活費に苦しんでいる例も散見されます。
つまり、医師免許は必ずしも経済的安定を保証しないのです。


医者が金持ちかどうかは三つの要素で決まる

結局、医師が金持ちかどうかを判断するには、次の3つの要素に集約されます:

  1. 親に資産があるか(=スタート地点の差)

  2. 返済すべき学費などの負債があるか

  3. 本人の所得がどれだけあるか

たとえ学費返済義務がなくても、医業での収益性は低下しており、保険医としての所得は**“中の上”、良くて“上の下”**程度です。


保険医の所得は高くないが安定はしている

外資系投資銀行に勤める同年代のビジネスパーソンと比較すれば、保険医の年収は見劣りします。最近では国内の企業で平均年収2000万超の企業も出てきましたが、年収2000万円を超える勤務医(保険診療の)はほぼ皆無でしょう。

しかし、医師には**「保険医である限り所得が極端に減ることはない」**という相対的な安定があります。

これは日本の保険診療制度が設計上、保険医であり続けることに合理的なインセンティブを与えているためです。


金持ちの定義とその適用

ここで「金持ち」を定義してみましょう。

話を単純化するために、日本人の所得分布を正規分布と仮定し、「金持ち=平均値+1σ以上の所得」と設定します。
これにより、上位約16%が“金持ち”に該当します。

肌感覚と合っていないと感じる読者もおられるだろうが、ここは議論を明確に進めるためにあえて所得分布を正規分布と仮定し、簡明な閾値として平均値+1σ以上を金持ちと定義しました。

この定義を適用して考えると――

  • 医師のうち約半数はこの上位16%に入っている

  • 残りの半数は、平均より上であるものの“金持ち”には該当しない。

が、理屈コネ太郎が歩んできた医療の道で出会った医師達の分布です。


医師が上位18%に入る確率は約50%

学費返済がない

親が金持ちで、医療法人の非常勤医として“別腹”の収入がある

本人の所得が高い

といった条件を備えた医師が、**所得の上位18%に該当する“金持ち医師”**です。

反対に――

  • 親からの援助がなく

  • 学費返済義務があり

  • 子供が多く

  • 自由診療や副業も行っていない

という医師は、「中の上」止まりであり、金持ちとは言い難いことも多いのです。


まとめ|「医者は金持ち」は確率の話である

医師免許を持つ人すべてが金持ちであるわけではありません。
ただし、「医師である」というだけで、**上位18%に入る確率が約50%**になる、という意味では恵まれた職業です。

つまり――

  • 一般的には18%の人しか入れない高所得層に

  • 医者は約半数が該当している

  • よって「医者=金持ち」は**“半分だけ本当”**

という結論になります。

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