「なぜ自分ばかり怒られるのか」
「同じようなミスをしたはずのあの人は、なぜ怒られないのか」
そんなふうに感じたことはありませんか?
もしかしたらそれは、「怒られやすい行動パターン」を、無意識のうちに繰り返しているからかもしれません。
この記事では、叱責されやすい人とそうでない人の“考え方”の違いに焦点を当て、怒りを引き寄せにくくするためのヒントをお伝えします。
Contents
怒りのタネが溜まる現場?
前節で、「怒りを引き寄せにくくするためのヒント」と書きましたが、精確には「怒りのタネがたまる現場に近づかないヒント」と表現した方がよいでしょう。『怒られやすい人の行動パターン|叱責を引き寄せない5つの習慣』でも記述しましたが、あなたのミスや間違いは、溜まった怒りを発火させただけで、怒りはあなたとは無関係に醸成され、たまたまあなたのミスを契機にあなたに向けられたのかもしれません。
怒りが生まれる職場の構造とは?
では、どのような現場や状況で怒りの火薬は溜まり膨れ上がるのでしょうか。その答えは、不安と想定外あるいは「望まない予測の的中」などの連続した状況と捉えれば間違いありません。
多くの場合、怒りの背景には次のような“具体的な目に見える理由”があります:
自分の指示が正しく伝わらなかった不安
忙しさやプレッシャーによる余裕のなさ
報告・相談のタイミングがずれたことによる焦燥感
相手の態度や表情に「誠意が感じられない」と思った苛立ち
つまり、上司の怒りはあなたのミスそのものよりも、“ミスの見え方や知らされ方”や“次の対応への準備不足”に引き金を引かれていることが多いのです。
怒られやすい人に共通する行動パターン
以下のような行動が、「怒られる確率」を高めているかもしれません。
タイミングを気にせず報告したり意見を求める
→ 忙しいときや集中しているときに話しかけられると、上司は“思考を中断された不快感”を感じやすくなります。曖昧な表現を使う(例:「たぶん」「~と思います」)
→ 不確かな表現が「準備不足」「自信のなさ」と受け取られ、信頼を損ねることがあります。一回の情報伝達で伝わらない
→ 大事な点は、情報を過不足なく一回で受け取り、伝える事です。メモを取るのも一手ですが、メモはあくまで方法に過ぎません。メモを取らずに全部暗記できて情報を整理できるのならメモは不要です。ただし、単にヤル気を見せる芝居としてメモを取るフリをする人も散見されますが、実は殆ど見破られているので、ご用心。報告や相談が遅い、または中途半端
→ いわゆるホウレンソウですね。ホウレンソウにはひとつ鉄則があって、「なんでこの程度の事でいちいち報告するんだ」と叱られる方が、「なんでこんなになるまで報告しないんだ」と叱られるよりよほどましだということです。同じ叱られるなら前者を心がけましょう。ただし、一度「この程度で…」と言われたら、その際の上司の問題解決の手際を真似てその状況を1人で切り抜けて下さい。「この程度で…」と叱られるのは、「こういう時はこうやるんだ、覚えておいてね」という意味なのです。「この程度で報告して怒られた方がマシ」と思えるようになるには少し勇気がいるかもしれません。でも、それが長い目で見ればあなたを守る行動になります。反応が薄い・無表情・目を合わせない
→ 仕事をする気がない、やる気がないと受け取られ、怒りのスイッチが入ることも。これは単に無口であるとか、熟慮型であるとか、恥ずかしがりやで人見知りだとの性格が悪く誤解されただけかもしれません。もしそうであるなら、業務の内容で上司にあなたの性格や人柄を納得させるしかありません。
叱責を引き寄せない人が自然にやっている5つの習慣
怒られにくい人は、特別な人間関係スキルを持っているわけではありません。
多くは、ちょっとした注意や配慮の習慣を日々重ねているのです。
話しかける前に相手の状況を確認する
→ 上司の表情、周囲の雰囲気、手の動きを見て「今、報告すべきか?聞くべきか?」を判断しています。要点を先に伝える(結論ファースト)
→ 「確認事項が3点あります」や「次の一手のご相談です」とか「ご報告です」といった導入を使い、相手の認知負荷を減らしています。実際に上司に話す前に何度か練習して、できれば10秒以内にハナシを纏めましょう。自分の理解に不安があるときは“確認”という形で質問する
→ 例:「こういう解釈で合っていますか?」という姿勢が、相手の苛立ちを和らげます。ミスしたときは言い訳ではなく“手順の再確認”をする
→ 自分を守るのではなく、次の再発防止に目を向ける姿勢が、信頼につながります。言われたことを“自分の言葉”でまとめ直す
→ 「こういう手順で進めればいいという理解で合ってますか?」と確認する人は、怒られにくいものです。
それでも理不尽に怒られることはある
どんなに準備しても、上司の感情が荒れていたり、組織の空気が悪かったりすれば、怒られてしまうことはあります。
そのときは、
「避けられなかった怒り」に巻き込まれたのだ
と考えてください。
それは、あなたの人格や能力が否定されたわけではありません。
むしろ「怒られる確率を少しでも減らすための視点を持っていた自分」を、どうか誇りに思ってください。
関連記事:
🔙 上司に怒られて悔しい、でも納得できないあなたへ
🔮 叱責と指導の違いとは?怒りと未熟さが生む職場の危機
怒られること自体を完全にゼロにすることはできません。
でも、怒られやすさを減らすことはできます。
それは、職場の人間関係を少しだけラクにし、あなた自身のストレスを軽くする知恵でもあります。
この記事が、あなたの「次」にとって、小さなヒントになれば嬉しいです。