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救援とその後の対応まで含めて考えるなら「平日午前」が最適
わたし理屈コネ太郎は、セイリングで新規のトライをするときはほぼ必ず「平日の午前中」と決めている。理由は簡単で、自分1人で解決できない問題が発生したとき、誰かに救援を求める必要がある可能性を常に想定しているからだ。
そしてその救援に来てくれる人たち──それが知人でも、海上保安庁でも、マリーナの関係者でも──皆、平日の「業務時間帯」ならフルパワー対応できる可能性が高い。加えて、もし医療機関の世話になるような事態になったとしても、診療時間内(たいてい17時くらいまで)なら診療も処置もスムーズに進みやすい。
医療機関やSUP-FOILでも同じ|“新規トライ”は午前中が鉄則
この「平日午前中にトライする」方針は、何もセイリングに限った話ではない。理屈コネ太郎は、新規の問題や試み全般に対して同じ姿勢を取っている。
たとえば、新規の症状で医療機関を受診する際も、必ず平日午前中を選び、午後以降には一切予定を入れないようにしている。なぜなら、その場で検査が増えるかもしれないし、安静が必要な処置を受けるかもしれないし、もしかしたらそのまま入院になるかも知れず、最悪の場合は受診した医療機関では対応できずより高度な医療が実施できる別の医療機関への転送の可能性すらあるからだ。転送先の医療機関の業務時間は大抵17時までなので、この時間までに転送先への受け入れが出来なければ一晩待つか、勤務時間外の人達を働かせてしまうことになる。
同じことは、レンタルカートでの練習にも、SUP-FOILの新しいセッティング確認にも言える。どれも「新しいこと」「まだ身体に馴染んでいないこと」を試すなら、“その後の展開”が広くとれる時間帯に始めるのが賢明なのだ。
ワインディング練習は例外だが、週末には慎重さを倍加して臨む
例外的に、「ワインディングでの朝練」だけは通勤渋滞の関係で土日祝日の方がスムーズである。しかし、ここにも注意点がある。
元医師であるわたしの実体験からいえば、夜間や土日祝日の医療機関のマンパワーや稼働力は、平常時の10%にも満たない。つまり、この夜間や土日祝日のタイミングで事故や怪我をすると、治療の選択肢が著しく限定されてしまう。
だから、土日祝日のワインディング練習では、安全マージンを通常よりも多めに取るようにしている。たとえば、ブラインドコーナーでの速度調整、路面の冷えに対する警戒、他車との距離感。週末こそ慎重に。
ヨットは「わかったつもり」で乗ってはいけない
ボートは、操船そのものは確かに奥深く難解な面があるものの、電子制御された動力のおかげで、ある程度は“なんとなく”でも運用できてしまう。
しかしセイリングは違う。構造、機能、劣化、経年変化…キャプテンがあらゆる要素を「知っている」前提で動く世界である。
理屈コネ太郎は、スクールにも通わず、師匠も持たず、完全独学でセイリングをしている。だからこそ、「常識」だと思われていることを自分が知らない可能性がある。つまり、「え、そんなことも知らないの?」と他人に驚かれるような基礎的な知識の欠如が、いつでも潜在していると心得ている。
だから、「わかったつもり」にならないために、自身の体験を丁寧に言語化して記録し、反芻を繰り返す必要があるのだ。
「考えたことすらなかった」現象が起こる|独学者の落とし穴と気づき
たとえば今朝のこと──
ジブセイルを展開したところ、下部が妙にダブついていることに気が付いた。ジブセイルが少しずつ重力で下にずれてきていたと仮説を立てた。セイリング中にこの仮説を検証する時間も心理的余裕もないので、ジブセイルを上方に引き上げるロープを操作したところ、仮説通りにダブつきを解消できた。
これは、ヨットを購入してからこれまでまったく想定していなかった現象だった。だが、ジブセイルの仕組みを冷静に考えれば、当然起きてもおかしくない。
幸い今回は、原因が仮説通りで、対応策もすでに習得した技術範囲だったので、すぐに対応してトラブルに発展せずに済んだのは幸運だった。
けれど、ここで得た教訓は、
「ジブセイルは気づかぬうちに徐々に落ちることがある」
ではない。
本当の教訓は、
「自分が“考えたことすらなかった”ような事象は、いくらでも現実に発生しうる」
ということをあらためて思い知らされたことだ。
この教訓は、独学者にとって最も肝に銘じるべきだと理屈コネ太郎は考えている。
平日午前の挑戦は、反省と再挑戦の余地を最大化する
新しいことに挑戦する。それ自体がすでにリスクを伴う。
けれど、そのリスクを“その日のうちに収拾できる可能性”を少しでも高めるために、平日の午前中を選ぶ。
問題が起きなければそれでよし。シャワーを浴び、食事を摂り、コンディションを整えて、静かな1人反省会を開く。
そこで洗い出された問題点は、次のトライで試すべき“実験仮説”になる。その試みの中でもまた、新たな想定外に出会うだろう。そしてまた、反省する。その繰り返しこそが、独学であるということの本質なのかもしれない。
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