Contents
「たった一票じゃ意味がない」と思わされていたら？
「どうせ何も変わらない」
「自分の一票だけでは何も変わらない」
「自分が入れたところで、たったの一票でしょ？」
そう思ったことがある人は、きっとあなただけではありません。
むしろ、その感覚はとても自然です。日本中にあなたと同じ考えの人が何万人も、何十万人もいるのです。
けれど、もしその「一票では何も変わらない」という気持ちが、実はそう思わされてきたものだとしたら、どうでしょう？
洋の東西を問わず、民主主義国の政治家で低い投票率だと自分たちは当選しやすくなる…ような内容の発言をする政治家は複数います。もちろん、日本の政治家にもそういう人物はいます。
組織票と動員票――選挙は“いつも投票する人達”の独壇場
政治家にとって最も重要なのは、当選することです。そうすると、自分に投票してくれる人達だけが投票に行って欲しい、ライバルに投票しそうな人達には投票に行って欲しくありません。
つまり、投票率が低い方が、既存の職業政治家が当選する確率が高くなります。実際、彼らは自分に投票してくれる人達をいつも気にしています。
たとえば、
宗教団体
業界団体
労働組合
地元の利益団体
明確な思想を持った活動家集団
こうした「まとまって動く」グループは、選挙のたびに強い影響力を発揮します。
これが組織票や動員票と呼ばれるものです。
そして、「普通の人」たちの多くが「自分の一票だけでは何も変わらない」と思って投票に行かないと、どうなるか？投票率がさがります。投票率が下がると、動員票は組織票が比率が上がり、強力にモノを言い出します。
選挙は、既述した一部の団体の声だけで決まるようになります。すると、政治家は当然その声にばかり耳を傾けるようになります。政治家達と国民の問題意識のズレは、こうしたところから発生するのかも知れません。
投票しない人は、政治家には美味しい存在
政治家が重視するのは「自分に投票してくれる人」の声です。
逆に、投票に行かない人たちは、どれだけ不満を抱えていようが、既存職業政治家にとっては受動的に当選させる有難い存在なのです。
そういう選挙が何度も続くと、政治はますます組織票や動員票を動かせる一部の人のためのものになります。
そして、あなたのような動員されない「普通の人たち」の声は、ますます反映されなくなる。
この悪循環が、いまの日本の政治の劣化を生んでいる一因でもあります。
低投票率こそが、既存政治家たちの生存戦略
それを、かつて日本の総理大臣経験者でもある大物政治家は、あからさまにこう言いました。
「投票日には国民には眠っていてもらいたい」と。
要するに、国民の多くが投票しなければ、動員票と組織票の比率が高くなるので楽に当選できる――そう本音を口にしたのです。
これは単なる過去の失言ではありません。
むしろ、今なお続く現実の政治構造そのものを、短い言葉で言い表しています。
投票率が低ければ低いほど、既成政党や職業政治家たちにとっては都合がいい。
「動かない多数」と「必ず動く少数」の組み合わせこそが、既得権の側から見た“理想的な選挙”なのです。
あなたと同じ思いの人は、何万人もいる
ここで大事なことがあります。あなたがよほど特殊な考え方の人でないかぎり、あなたと同じように考えている人は沢山いるのです。
だからあなたが「自分の一票なんて…」と思っているように、まったく同じ気持ちで黙っている人が、実は何万人もいるはずです。
「何も変わらない」と思わされ、民主主義を一種あきらめてしまっているのは、あなただけではありません。
でもその人たちが、それぞれの場所で、静かに一票を行使し始めたとしたら、社会は、確実に変わり始めます。だから、自分と同じ考えの人はいっぱいいると信じて、自身を持って投票に行って欲しいのです。
たとえ数万の人が自分と同じ考えだとしても、投票に行くのが自分1人では意味ないのでは？
当然の疑問でしょう。しかし不思議なのですが、あなたが投票しようと思うと、どういうわけか同じように投票しようと思う人が増えるのです。あなたが他に投票してくれる人がいるから自分は投票しなくても大丈夫だと考えると、他の人も投票に行かなくなるのです。
投票行動は意外なところで人生に効いてくる
投票大切なのはわかるけど、他にやりたい事が一杯あるし…という方に向けて、投票の重要さをすこし説明します。
投票とは、第一志望校受験日と同じくらい重要です。
あなたの一票は通るかもしれないし、通らないかも知れません。しかし投票に行かない事にはあなたにとって悪い方の変化しか起きません。
もしかしたら良い方向の変化も起き得ますが、それは幸運だっただけです。幸運をアテにしてはいけません。
「票にならない声」は届かない
どれほど国民感情を代表している意見であっても、どれだけ切実な願いであっても、
政治家にとっては「票にならない声」は組織票や動員票だけで自分達を当選させてくれるように投票率を下げてくれる美味しい人達です。
でも、投票した瞬間から、その立場は変わります。
それは、誰かが勝手に変えてくれるのではなく、あなたと、あなたと同じ気持ちの数万の人たちが投票すること”によって生まれる変化です。
あなたの一票は、将来社会に「思い」を顕在化させる
投票は、すぐに世界を変える魔法ではありません。
でもそれは、自分の思いや願いを社会に「存在させる」行為です。
黙っている限り、それはどこにも届きません。
けれど、一票を通して示せば、それは数字として、結果として、社会に刻まれる。
あなたと同じ思いを抱いた何万人もの人がそれぞれの一票を行使したら、政治家はメンバーチェンジを強いられ、その結果として世の中は変わらざるを得ません。
だから、投票に行くことは大切なのです。
最後に――「変わらない」と思う事は悪い方に変えていると気づこう
「たったの一票では変わらない」と思って投票行動をやめることは、「変えさせない仕組み」に、自分の手で加担してしまうということでもあります。
でもその逆に、あなたが投票に行けば、あなたと同じような考えを持った人達が何万と投票に行けば、ズレた感覚の国会議員を退場させる事が出来るのです。
✔ 投票に行けない理由があるときは、期日前投票もあります
✔ 誰に入れていいかわからない時は、気に入らない候補者を除外して残った人に投票すればよい。投票率を上げるだけで既存の職業政治家の背筋を寒くさせられるから。
あなたの人生の選択が、より良い社会と響きあうように。
その始まりが、あなたの一票です。
当サイト内の他記事への移動は下記よりどうぞ