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フライブリッジ、憧れるけど使用条件にマッチしてる?──買って後悔しないためのチェックポイント
フライブリッジ付きのボートを検討しているけれど、果たして自分の使い方に合っているのか。
そんな不安を抱える方も多いのではないでしょうか?
たしかに、フライブリッジ艇は見た目もかっこよく、機能的にも魅力的です。しかし、実際に所有してみると「思ったより扱いにくい」「釣りをしない自分には不要だった」という声も少なくありません。
この記事では、釣りをしない私「理屈コネ太郎」の視点から、フライブリッジボートのメリットとデメリットを整理し、購入前に考慮すべきポイントを解説します。
なぜフライブリッジ艇が選ばれるのか?そのメリットを整理
視界が圧倒的に良い
操船席が高い位置にあるため、広範囲を遠くまで見渡すことができます。
特に鳥山の発見や釣り場の探索、混雑した港湾での操船においては、安全性と判断力が格段に向上します。
加えて、航走中に船首が持ち上がる際も、フライブリッジからなら船首が視界の妨げにならないという特長があります。
これにより、波の状況や他船の接近を早期に察知でき、安心感があります。
開放感とリラックス空間の確保
フライブリッジには広いスペースがあり、風を感じながらゲストと共にくつろぐには最適。
屋外ラウンジのような開放感を味わえるのは、フライブリッジならではの魅力です。
レーダーの探知距離が長くなる
多くのフライブリッジ艇ではレーダーを高所に設置できるため、より遠くまで探知距離が延びます。
航行時や悪天候時のナビゲーション、または釣り場の早期発見にも有利です。
長時間の運航で役立つ複数操船者体制
クルーが複数いれば、フライブリッジでの操船を分担でき、船長が途中で休憩を取ることも可能です。
特に長距離移動を伴う旅では心強い要素です。
とにかく見た目がカッコいい
フライブリッジ艇は、その構造と高さゆえに、ひと目で存在感を放ちます。
船にあまり関心のない人であっても「すごい船だ」と感じさせる説得力があります。
さらに一度でもフライブリッジの爽快感を体験した人にとっては、その魅力は何物にも代えがたいものとなるでしょう。
所有する満足感や周囲への訴求力という点でも、フライブリッジは特別な存在感を備えています。
フライブリッジ艇に潜む弱点とは?後悔しないために知っておこう
船長が孤独になりがち
ゲストがキャビンやサロンに集まってしまい、フライブリッジにいる船長だけが風に吹かれながら操船──という状況になりがちです。
結果としてゲストとの交流が減り、ただの「運転手」になってしまうリスクがあります。
風や天候の影響を大きく受ける
フライブリッジは高所にあるため、風の影響をダイレクトに受けます。
特にエンクロージャーを装着すると風の抵抗が増し、船体が横風に流されやすくなることも。
紫外線・寒さ・雨──快適性に欠ける場合も
屋外操船ゆえ、紫外線や寒風、雨をまともに受けます。
暖房や日除けのない環境で長時間過ごすのは、快適とは言い難いものがあります。
離着岸時の動線が複雑
フライブリッジからロープワークのために降りるには、2階相当の高さを梯子で移動しなければなりません。
シングルハンドでは特に煩雑で、安全面にも不安が残ります。
フライブリッジ以外の場所からの視界が制限される
操船中はフライブリッジからの視界が優れている反面、停泊中やデッキにいる際には、フライブリッジの構造物そのものが死角を生み出します。
特にキャビン周辺や船体下部からは周囲の海面が見えにくくなり、落水者の発見や他船の接近確認が遅れるおそれがあります。
1人で運用する場合には、船のどこからでも海面を見渡せる構造の方が、安全確保の観点では有利です。
購入前に考慮したい3つのチェックポイント
1. 目的を明確にする
釣りが主目的であれば、視界の広さとレーダーの有効性が大きな武器になります。
一方、家族や友人とゆったり過ごすのがメインであれば、キャビンやデッキの広さ・快適性を重視した方が良いでしょう。
2. エンクロージャーの有無を検討
エンクロージャー(風雨よけカバー)があると寒さや風を和らげられますが、その分、風圧による船の揺れや横流れが増します。
利用環境と釣行頻度に応じた選択が必要です。
3. 離着岸をスムーズにする装備の有無
シングルハンドでの運用を考えるなら、操船席の配置や補助操縦系統(セカンドヘルム)の有無も検討材料。
前後スラスターやジョイスティック操船がある艇でも、乾舷近くにもう1つの操船装置があると、離着岸が格段に楽になります。
結論|必要か否かは「釣り」「運用人数」「気候」がカギ
フライブリッジボートは、視界の良さや開放的なスペースという魅力を備えた選択肢ですが、使用スタイルによっては過剰装備になり得る側面もあります。
また、シングルハンド運用や停泊中の視界の確保といった安全面では、特有の注意が必要です。
私は釣りに興味がなく、基本的に一人または最少人数でのボート遊びを楽しむため、現時点ではフライブリッジ艇を選ぶ理由がありません。
自分の使い方と環境に合った艇を選ぶことが、快適なマイボートライフへの近道です。
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