後期GRヤリスATは、果たしてファーストカーとして使えるのだろうか。私にとってファーストカーとは、年間3万kmを走り、荷物を積み込み、雨の日も雪道もこなす「生活の万能車」のことだ。本記事では、その観点からノートe-POWER 4WDと比較し、後期GRヤリスATがファーストカーとして成立するのかを検証する。
Contents
はじめに
私にとってクルマは単なる移動手段ではなく、生活の大部分を支える「住宅と服の中間的存在」だ。年間3万kmを走り、荷物を積み込み、雨の日も雪道も走る。だからこそ、ファーストカーには万能性が必要だと考えている。
今回テーマにするのは、後期型GRヤリスの8速ATモデル(弐号機)。
購入前には「ATだし、運転支援機能も豊富だし、ノートの代わりにファーストカーとして使えるのでは?」と期待した。だが結論は──私にとっては厳しい選択。普段使いにおいて不便が目立ち、万能車にはならなかった。
ファーストカーとは何か
ここでの定義は「オーナーの生活のほぼすべての目的に対応できるクルマ」。
普段使いにも、ファミリーカーにもなり得る
長距離・短距離・悪天候・荷物の積載まで幅広く対応できる
この観点からみると、私の愛車ノートe-POWER 4WDは理想的なファーストカーだ。
モーター駆動でスムーズ
ハンドル・シートヒーターの快適さ
紫外線・雨風を防ぎ安心できる室内空間
視界が広く取り回しも容易
座席に座った瞬間に「ホッ」とする安心感がある。
GRヤリスATの実力と制約
プラス面
スポーツ走行性能は圧倒的。ATの制御が賢く、ドライバーは荷重移動とライン取りに集中できる。
運転席に座るとリラックスではなく「ヤル気」が湧き出てくる。
マイナス面(普段使いの不便さ)
低速時のAT挙動がぎこちない
- 市街地走行では、なんとなくクルマの機嫌が悪い印象
ドアが大きく、狭い駐車場での乗り降りが不便
Aピラーが低く、助手席斜め後方の視界が悪い
サイドミラーの位置が邪魔で視認性に難あり
空力重視デザインで視界全般が狭い
燃料満タンで300~400km程度と航続距離が短い
これらの理由から、万能なファーストカーとしては不適任と判断した。
ノートe-POWERとの比較
ノートは普段のすべての局面で安定して快適。
コンパクトさと4WD性能
長距離移動の疲労軽減
日常の安心感
それに対しGRヤリスATは、普段の生活を担うには不便が多い。
結局、ノートを手放すことはなく、ノート+GRヤリス(MT&AT)という2台体制を継続することにした。
GRヤリスATとMTの位置づけ
GRヤリスMT(壱号機)とAT(弐号機)は、どちらもスポーツカーとして無上の楽しさを提供する。
MT:変速操作を含め機械と一体になる愉しみ
AT:ライン取りと荷重移動に集中できる愉しみ
つまりGRヤリスは「ファーストカー」ではなく「スポーツドライビング専用マシン」だ。そう割り切れば一切の不満はなくなる。
結論
後期GRヤリスATは、私にとってはファーストカーにはなり得なかった。
普段使いの万能性はノートe-POWERに軍配
しかしGRヤリスATは、MTと並んでスポーツドライビング専用マシンとして唯一無二の存在
2台体制で役割分担するのが現実的な解答
もし「ファーストカーにできるか?」と問われれば、答えは「人による」。
だが少なくとも私にとっては、GRヤリスATは「生活の中心を担う車」ではなく「走りを愉しむ車」だった。