大型バイク購入前に是非読んで!|未経験シニアが知っておくべき現実と準備

大型バイク購入前に是非読んで!|未経験シニアが知っておくべき現実と準備
大型バイク購入前に是非読んで!|未経験シニアが知っておくべき現実と準備(画像はネットより拝借)

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3つの楽しみ方、どれも正解

モーターサイクルの趣味には、主に三つの方向性があります。

  1. 乗って操って楽しむ

  2. カスタムや整備で楽しむ

  3. 愛車を鑑賞し、同好の士に見せて楽しむ

これらに優劣はなく、それぞれに「広さ、高さ、深さ」があり、どの道に進んでも飽きることがありません。本記事では、その中でも「乗って操って楽しむ」ことに主眼を置いてモーターサイクルを趣味にしたいと考えているシニア世代の視点で、その魅力と注意点を考えていきます。

愛車選びは自身の身体との相談が最優先

モーターサイクルは、ライダーの身体をバイクの一部として操作する乗り物です。モーターサイクルの性能発揮にとって最大のボトルネックはライダーの身体能力と技術です。したがって、体格や体力を冷静に見つめ、自分に見合ったバイクを選ぶことが何よりも大切です。

大型バイクは魅力的ですが、重量車は転倒時に自力で起こすのが困難です。また、足着きが悪くて停止の度にフラフラするのもよくありません。
とくに交通量の多い道路での立ちゴケは、自他ともに危険を生じさせることがあります。

販売店では「なんとかなるものですよ」といった甘言を耳にすることもあるでしょう。しかしこれは「売る側の論理」です。買う側は、“自分自身の身体とお金でリスクを取る現実”を冷静に見極めなければなりません。

練習なしで「操って楽しむ」ことは出来ない

モーターサイクルは、ただ走るだけでも楽しい乗り物ですが、「操る楽しみ」を本気で味わいたいのであれば、基礎練習は不可欠です。

たとえば以下のような基本操作は、定期的に安全な空き地で練習する価値があります。

  • 八の字走行

  • スラローム

  • 急加速と急制動

  • 一本橋バランス走行

  • ウイリー走行などのややアクロバティックな走行

操作技術は、“やれば身につく”ものですが、“やらないでいると衰える”ものでもあります

理屈コネ太郎の知るベテランライダー達は、「その日の体調がライディングに出る」と口を揃えます。だからこそ、本気で走り出す前に、まずは家の周囲を一周し、その日の感覚を確かめることが時に必要だと言っていました。

「乗って楽しむ」ための最大の障壁は“長距離移動”

シニアがモーターサイクルを乗って操る事を趣味にしようとしたとき、実は最大の障壁となるのが「楽しめる場所までの移動手段そのもの」です。

理想的な練習場所やワインディングロードは、自宅のすぐそばにあるとは限りません。むしろ、大抵の場合、遠いはずです。そして、そこまでモーターサイクルで行くこと自体が、体力的・精神的にかなりの負担になります。

特に雨天や猛暑などでは、目的地に到着するまでにすでに体力と気力が消耗しきっていて、本来の「乗って楽しむ」という余力が既にないことがあります。

こうした事態を回避するために、いわゆる“ガチ勢”のライダーたちは四輪バンを用意し、その中にモーターサイクルを積み込んで、走れる場所まで車で移動するというスタイルをとる人も少なくありません。

到着してからモーターサイクルをバンから地面に降ろして、ようやく「楽しむ」フェーズが始まるのです。ただ、ここまでの事を趣味でシニアが実施するには、かなりハードルが高いですね。モーターサイクルを楽しむためにバンを購入するのは、配偶者が許してくれないでしょう。

クルマの経験がむしろ邪魔になることも

モーターサイクルの操作は、クルマとは根本的に異なります。モーターサイクルではライダーの身体がモーターサイクルの一部となって、加速して、旋回して、減速します。既述した通り、モーターサイクルはライダーの身体能力と技術で性能を発揮します。

  • クルマ:ドライバーが体重移動を利用する事はありません

  • バイク:ライダーの身体と技術で、加速し、旋回し、減速します。

クルマでの運転経験が長い人ほど、バイクにおける“身体の使い方”に戸惑いがちです。モーターサイクルには車体を傾けるとその方向に旋回するセルフステアという特性がありますが、車体を傾ける最初のきっかけは曲がる側のハンドルを軽く前に押す”逆ステア”という行為だったりします。

そのため、モーターサイクルに乗って操って楽しむには「自分の身体で試す」実験的な姿勢が非常に重要です。たとえば、逆ステアからセルフステアへの移行などは、何度もいろんな状況設定で練習する価値があります。この練習だけで半日費やせるくらい興味深いです。

安全な場所で繰り返し挙動を確認し、「なぜバイクがこう動くのか」と「どうしたら思い通りに動くのか」を感覚と理屈の両面から理解することが、ライディングの愉しみを深めます。

メカニズムに敬意を払い、真摯に技術を伸ばす姿勢を

「ただ距離を走る」ことも確かに一つの楽しみ方です。しかし、理屈コネ太郎としては、技術を磨きながら走ることの方が、バイクとの対話が濃くなる分、遥かに面白いと考えます。

  • メカニズムに敬意を払い

  • 自分の技量を謙虚に評価し

  • 大胆に上達を試みる

この3つが揃えば、バイク趣味は加齢によって制限されるものではなく、むしろ年齢を重ねたからこそ辿り着ける「深み」がある趣味へと昇華します。

理屈コネ太郎は「長距離派」ではない

ところで、筆者個人としては、いわゆる“長距離ツーリング”にはあまり魅力を感じていません。高速道路をモーターサイクルで走行するのは、警察も恐ろしいですが、それ以上に生身であの環境に身を置くのは正直に言って恐ろしいです。むしろ、

  • 前後左右、時に上下への重心移動とそれを可能にするためのモーターサイクルとの支点について試行錯誤する

  • 広場での制動や旋回の実験

  • 操作と挙動の一致を感じる瞬間

こそが、モーターサイクルを「乗って操って楽しむ」本質だと考えています。だから、理屈コネ太郎は大型バイクのとてつもない格好良さに心を奪われながらも、現時点では基本的に乗って操って楽しむバイクは400㏄二気筒くらいまでかなぁ~と思っています。(ご参考までに理屈コネ太郎のバイク遍歴を記事に纏めてありますのでお時間のある時にお楽しみください)

軽快な二輪車に、正確な入力を与え、それがどう反応するのかを実践で確かめる。
その知的で肉体的なフィードバックこそが、シニアになってなお夢中になれるバイク趣味の核心なのだと、理屈コネ太郎は思っています。

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