ミッシェル・フーコー著『臨床医学の誕生』

もう30年くらい前、ミッシェル・フーコー著『臨床医学の誕生』という本に出会った。何度挑戦しても途中で挫折する本だ。正直に言うと、まだ通読できた事は一度もない。(ミッシェル・フーコーについては『ミシェル・フーコーという問いの人──「思考の様式」をくれたけれど、届かなかった哲学者 』に詳述しています。ご興味あれば参照下さい。)

私の推測に過ぎないが、この本を通読且つ理解していいる臨床医師は日本には存在しないか、いても数人だと思う。私にとってはそれくらい読むのが苦痛な本。

そこで、専門家たちが著した数々のガイドブックに頼ったみたのだが、その結果、私なりに分かってきたこの本のエッセンスは、疾病と解剖学的知見とが関連付けられたのは、ある時期の欧州(特にパリ)の、小数の医師達の功績なのだということ。それが疾病を解剖学的手法で記述する、即ち、現代でいうところの病理学の誕生であったということ。

ところで、今日では病理学は臨床医学の原器として重要な役割を担っている。特に、悪性新生物の診療においては病理医の診断と助言は不可欠である。本書において、病理学の誕生こそが、臨床医学の誕生と考えられる所以である。病理学の誕生をもって臨床医学の誕生と表現したミシェル・フーコーは、やっぱり凄い人なんだなあ。

と、そういう内容の本(らしい)。

今回は以上

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