医者が“感じ悪い”理由|患者が知らない現場の現実

医者が“感じ悪く”なる理由|患者が知らない現場の現実
医者が“感じ悪く”なる理由|患者が知らない現場の現実

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医者が「感じ悪い」のはなぜか?

「医者ってクソ多くない?」「横柄だし高圧的だし、なんか感じ悪い…」

医療機関を受診した経験のある人なら、そんな感想を抱いたことがあるかもしれません。
しかし、それを「医者はプライドが高いから」などという陳腐なステレオタイプで済ませてしまうのは思考停止です
(※この点について詳しくは[関連記事リンク]を参照)


医者が「感じ悪くなる」背景

医師は想像を絶するトンデモ患者に出会う職業

もし医師の“クソ率”が、日本人全体のそれより高く見えるとしたら──
その理由の多くは、日々の過酷な患者対応環境にあります。

一度でも、不遜・不埒・無礼・無法(以下、便宜上「クソ」と略)な患者に出会えば、
医師は心理的な予防線を張って自分を守ろうとします。これは防衛機制と呼ばれる自然な心理反応です。

ところがこの防衛機制は、患者の目には「横柄」「冷淡」「感じが悪い」と映ってしまうのです。


医師は患者を選べない

法律的にも道義的にも、医師には患者を拒む自由がありません。

とはいえ、医師もまた人間です。
人格破綻レベルの患者に遭遇すれば、心的ダメージを受けます。

そしてそのダメージから自分を守るために、
医師は「傾聴しない」「共感しない」「距離を取る」というスタンスへと変化していきます。

それが、俗にいう「クソ医者」の正体の多くなのです。


医師の心をすり減らす“困った受診者”の存在

ここでは、筆者が実際に遭遇した一部の「患者とは呼べない受診者」の例を紹介します。

自己診断に対して診断書を求める人

無断欠勤後、「体調不良で休んだ」と事後報告。
会社から「診断書を持ってこい」と言われて受診し、診察もしていないのに診断書を要求

医療を誰かを攻撃するための道具にする人

「寿司屋でサーモンを出されたせいで痛風が悪化した」──
そんな理屈で寿司屋を訴えるための診断書を求めに来る人

保険医療制度を悪用する人

明らかに詐病・仮病、あるいは職業的な悪意をもって被害者性を偽装し、
保険診療の枠内で「医療の力」を使って自らの主張を通そうとする者も存在します。

こうした存在が、医師の信頼感や共感性を削っていくのです。


医者の態度が冷たい理由は“防衛本能”である

理屈も通じず、怒鳴り、威圧し、
「医者だからって威張ってんじゃねえぞ」「オレは客だぞ」「金払ってんだぞ」
と言い放つ受診者に対応しながら、医師は日々防衛本能を研ぎ澄ませていきます。

共感疲労と人間関係の防衛反応

こうした防衛反応の現れとして、医師は次のような態度を取るようになります。

  • 共感を示さない

  • 声が低くなる

  • 表情が乏しくなる

  • 冷たい態度を取る

これは決してあなたを傷つけたいからではなく、医師自身がこれ以上傷つきたくないから起きている行動なのです。


だからといって、理不尽な対応が許されるわけではない

当然ながら、どんな事情があっても、患者に高圧的な態度をとることが正当化されるわけではありません。

ただ、もしあなたが「ひどい医者に当たった」と感じたなら、
少しだけ想像してみてください。

「ああ、この人はかつて“本当にクソな患者”に深く傷つけられて、
その傷を守るために、こんな態度になってしまったのかもしれない」


医師と患者、どちらも人間であるという前提に立とう

あなたが冷静に、合理的に受診し、誠実に対話する姿勢を持てば、
医師もほんの少し、防御を緩めてくれるかもしれません。

医者に“クソ”が多く見える背景には、
その裏側に**“クソな患者”の存在が確かにある**──

これは、現場に立った者にしか見えない、
非常に現実的な人間関係のひとつのかたちです。


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