セカンドライフを生きるシニアのあなたは「何かオモシロイこと始めたい」そんな思いで「シニア 趣味」で検索してみたものの、出てくるのは読書やガーデニングやウォーキング、俳句やカメラ…。どれも悪くはないけれど、検索する前から分かっていたことばかりだと思ってはいませんか?
意外性ゼロでオモシロクありませんね。
そこで当ページでは、還暦の元医師であるわたし理屈コネ太郎が実際に体験したオモシロくてシニアが1人で楽しめる趣味を提案しようと思います。
「やってみたい」という気持ちがあれば、もうそれだけで第一歩は踏み出せています。本ページで紹介された以外の遊びでもピンときたものから、ぜひ気軽に試してみてください。
既述したように、似たタイトルの他のサイトでは、ボランティア参加や旅行、読書、映画鑑賞、俳句、カメラ、山歩きなどがシニア向け趣味としてよく挙げられますが、それらの提案はステレオタイプなやや古い発想に基づいているように思います。
失礼を承知で言えば、シニアが「いかにもシニアらしい」ことを趣味にしたら、周囲からも年寄前提の扱いを受けることになり、よけいに老け込む事は間違いありません。
たぶん、そういう「シニア向け趣味」みたいな記事を書いている人自身がシニアではないからなのかも知れません。ライター諸氏がいだくシニアに対するステレオタイプの現れでしょう。
実際には、現在の60代シニアは身体能力は高く、人生経験に裏打ちされた危機察知能力や危機回避能力があり、好奇心も旺盛で、積極的に新しいことに挑戦できる時間が残されています。
当記事で紹介する趣味は、ヨットやサーフィンといったスポーツから、日本史の勉強やブログ作成といった知的活動まで多岐にわたります。ぜひ、新しい趣味を始めるヒントにしてください(ただし実行の際は全て自己責任でお願いします)。
Contents
本記事で紹介する趣味ジャンル一覧
- マリン系:ヨット/ウインドサーフィン/サーフィン/SUP/スキューバダイビング
- ストリート系:スケートボード
- モータースポーツ系:レンタルカート/スポーツカードライビング
- 格闘技系:キックボクシング/ボクシング
- 知的活動系:世界史における日本史の勉強/ブログ作成
1. ヨット
ここで言及するヨットはキール付きのヨットです。具体的には下の写真のようなヨットです。こうしたヨットは海面の下にキールと呼ばれる数百キログラムの錘を持っていて、理想的には海面に対して出来るたけ法線を保つように設計されています。よって、まず転覆しません。

簡単に転覆するような小さなヨットとは下の写真のようなヨットです。このタイプのヨットは、基本的に競技用で、キールと呼ばれる錘も持っていません。ですから、バランスを崩すと転覆して艇が横倒しになります。この横倒しになった艇を元の状態にセイラーが重心を体力で操作して戻すのも込みで、競技が行われています。

ですから本ページで扱うヨットは転覆しにくく安心して一人でも楽しめます。初心者にとっても技術的難易度はウインドサーフィンと同じ程度でしょう。便宜的にココで10としましょう。難易度は筆者独自の体感による相対評価です。
エンジン付きの中古ヨットをマリーナで購入し、係留サービスを利用するのが現実的な始め方です。風力だけで進む解放感や、静かなプライベート空間としての魅力もあります。
初めてのヨットの選び方は初めてのヨットの選び方をご覧ください。
ヨットをどこで買うかについては初めてのヨットはどこで買う?をご覧ください。
ヨット独習の具体的なステップは独学でセーリングをマスターする方法をご覧ください
2. ウィンドサーフィン
風を受けて海上を滑走するスリル満点のスポーツ。ただし、結構難易度の高いスポーツなので最初はスクールに入ってレンタルギアで練習するのがおすすめ。スクールで基本技術を学べば、初心者でも安全に楽しめます。初心者にとっての難易度はヨットと同程度で10です。
ウィンドサーフィンは海面での遊びの全ての要素が凝縮されたスポーツで、このスポーツさえ心得ておけば海面での遊びの全てに応用できます。
ギア一式をバンに積んで各地を巡る自由な遊び方も魅力です。注意点としては、ギアはサイズも金額も大きいので、購入は本当に愉しいと思えるようになってからにするのが良いでしょう。
ギア購入をせっついてくるようなショップとはあまり関わらない方が良いと思います。ギアを販売して収益を上げるショップ側のビジネスモデルも理解できますが、ウィンドサーフィンのギア類は価格もサイズも大きいので、購入にも保管にもそれなりの金額が必要ですから。
余談ですが、ヨットとウインドサーフィンの違いはマストと本体との接続部分にあります。ウィンドサーフィンはユニバーサルジョイントと呼ばれる構造をもち、マストとセイルは海面に倒れても、ボードそのものに影響はありません。よって、マストやセイルが海面に触れてしまってからのリカバリーはヨットよりもウィンドサーフィンの方が容易です。
3. サーフィン
技術的には独学スタートもOK。波待ち時間に心が整う禅や瞑想に近い側面を持つ独特のスポーツ。
泳ぎが苦手でもウェットスーツを着ていれば安心。
波に乗る爽快感は格別で、早朝や夕方の波待ち時間も癒しの時間に。ボードに身を任せ海面を揺蕩いながらゆっくりと海の鼓動に身をまかせる時間もサーフィンの醍醐味のひとつです。
あまり何も考えずに完全に独学で始められる気安さがありますが、中級者になると垣間見える奥行きがとてつもなく深い。サーフィンはそういうスポーツです。初心者にとっての難易度は3くらいでしょうか。
ビーチという比較的せまい海岸線に関連したスポーツなので、ローカルルールを尊重するマナーも大切です。
4. SUP(スタンドアップパドルボード)
SUPは初心者にも始めやすいウォータースポーツ。いわゆる普通のSUPなら始める難易度はかなり低いです。初心者にとの難易度は1と2の中間くらい。初心者でも初回からそれなりに楽しめます。
パドルで漕いで自分の体力で進むので健康維持にも最適です。実際、SUPをわりと本気でやっている人はみなムキムキ細マッチョです。ただ、ボードの上に立つ遊びなので、日光の影響はかなり受けます。
ウィンドサーフィンやサーフィン同様、安全や怪我防止のためにウェットスーツ推奨ですが、発汗による体温調整が上手くいかず、また鬱熱も起こしやすいので体温調節には注意が必要です。
また最新のSUP-FOILは、これは極めて難易度が高いですが(難易度30くらいかな…)、空中を滑るような感覚も楽しめます。
5. スキューバダイビング
独学不可で、ライセンス取得は必須。技術的な難易度は5くらいですが、他のあらゆるスポーツとは違う世界を体験できるのが魅力です。スキューバダイビングの魅力は、スキューバダイビングでしか体験できません。
海中でのスポーツですが、一定の技術を満たせば安全なスポーツです。また本ページで紹介する趣味の中で唯一集団行動を前提とした遊びです。このスキューバダイビングに関しては、1人で出来るという意味を1人で参加して楽しめると言う意味でご理解下さい。
スキューバダイビングでの水中の非日常空間や生物との出会いの面白さは格別です。また、ツアーには一人で参加できるし、スキューバの盛んなリゾートなら一人で参加している人も大勢いるので、バディーには苦労しません。装備は高額なのでレンタルで始めて、必要に応じて揃えましょう。
ライセンス取得後は国内外の海で海中探索が可能になるので、世界中でダイビングを楽しんでいる日本人は多くいいます。
ダイビングでは、ダイバーとしてのスキルや経験が全てです。その意味で、1人でツアーなどに参加する事で、これまでの社会人としての肩書や習慣を一回リセットして新たにコミュニケーションスキルを磨くのにうってつけの遊びと言えます。
全くの私見ですが、前述のウィンドサーフィンとスキューバダイビングの技術と知識があれば、海への過剰な恐怖感がなくなり、全てのマリンスポーツに親近感が湧いて何をやっても全くの初心者とは段違いのスピードで上達すると思います。
6. レンタルカートでサーキット走行
サーキット専用の安全なカートをレンタルし、出来るだけ短時間でコースを周回する事を目指す、手ぶらでスピード体験が可能なニッチだけど確実な歴史のあるスポーツです。運転免許(AT)を持っている初心者にとっての難易度はほぼゼロです。
使用するマシンは扱いやすく、回数を重ねるほどに操作技術が問われる奥深い趣味です。レンタルカートは基本同じ仕様なので、タイムの差はスキルの差です。道具の差ではなく、腕の差が如実に突き付けられる、ある意味で厳しい遊びといえるでしょう。
仮説を立て、自身のドライビングで実験しつつタイム短縮を図るという非常に知的で繊細な遊びです。
長袖長ズボンで手ぶらでサーキットにいけばその日のうちにすぐに始められるレンタルカートなので開始ハードルは低いですが、繊細で、努力が成果に現れる遊びなので、長期的にハマる人も少なくありません。私はまだ新米ですが、理屈コネ太郎のレンタルカート修行に関してはコチラをクリック。
7. スポーツカードライビング
自分の愛車でワインディングやサーキットを走る趣味。初心者にとっての難易度はワインディングではゼロ、サーキットでは1くらいでしょうか。
スポーツカードライビングは、レンタルカートでのサーキット走行と違って、マシンも走行条件も違うので、人と競うような遊びではないと、理屈コネ太郎は考えています。だから、マイペースでよいのです。
ただひたすら、自分の信じたマシンと自身の技術を通して一体化する。安全に楽しめる環境さえ整えば、非常に奥の深い世界です。理屈コネ太郎のスポーツカードライビングに関する記事はコチラをクリックして下さい。
8. キックボクシング
ジムの営業時間中であれば自分のペースでトレーニングでき、体幹を鍛える全身運動。特に日本人にはなじみのない体感を捩じる事の多い運動なので、内臓にも良い刺激を与えてくれます。
ジムによってはプロ選手の指導もあり、ミット打ちやマススパーも経験可能です。以前と違い、今は初心者や女子に対しても門戸を大きく開いているジムが多く、全身運動と反射神経を鍛えたい人にはピッタリです。
9. ボクシング
ストイックな世界で得られる集中力と強さ。ボクシングは打撃系格闘技のなかで最も洗練された技術体系を持っています。
同じ打撃系のスポーツながらボクシングジムはキックボクシングジムよりややストイックな雰囲気なので、本気の練習生たちの中で刺激を受けながら取り組めます。細かな技術や戦術は緊張感のある環境で伝授されます。
10. 日本史(世界史における)の勉強
シニア世代だからこそ、自分のルーツである世界における日本の歴史に向き合う意味があります。
知的好奇心を刺激し、世界における日本の立ち位置を再考するきっかけにもなります。たとえば、日本の皇室は世界最古の王朝(しかも祭祀王)のひとつなので(皇室の歴史やその独自性についてページへはコチラをクリック)、世界史的視点でみれば羨望の的である事が良く分かったりする効用があります。
私は日本が世界で一番素晴らしい国であるとは(心の中で思ってはいても)言いませんが、日本の独自さ、他の国にはない興味深さに気づく事が出来て、この国に生まれて良かったな…と素朴に思えるようになりました。
11. ブログ運営
ブログ運営はネット情報に触れ、自分の考えを整理する場として非常に有用。社会の裏側やマスメディアの情報偏りにも気づく事が出来て、情報リテラシーの向上にもつながります。ブログ運営の必要性からAIなどを使用して様々な事を検索していると、マスメディアが伝えない情報に日常的に接触するので、現代社会をより深く理解する力を育てます。
12. スケートボード
スケートボードと聞くと、若者のもの、あるいはストリートカルチャーの象徴と思われがちですが、実際に体験してみると、非常に奥が深く、身体感覚と集中力を取り戻すのに最適な趣味です。初心者にとっての難易度は3~4くらい。
もちろん若者のようにトリックを決めたりハーフパイプを飛んだりする必要はありません。シンプルに「路面を滑走する」という体験だけでも、バランス感覚・脚力・重心移動のトレーニングになります。
筆者も若い頃は結構遊びましたが、最初はバランスを取ることすら難しく、それだけに「滑れた」ときの達成感は格別でした。専用のスケートパークや公園で、ゆるやかな斜面を使って練習するところから始めるのが安全です。
注意点としては、プロテクター(ヘルメット・肘・膝・手首)は必須です。見た目とおり転倒リスクが高く、またサーフィンと違って地面に転倒するのでプロテクターを含めて安全対策を万全にして、無理のない範囲で練習してください。
若者と同じ空間に身を置くことで得られる刺激や、身体の可能性を再確認する感覚は、「まだまだ自分は動ける」という実感に直結します。
余談ですが、年齢や性別の全く違う集団に混ざるときは、出来るだけ悪目立ちしないように、気配を消して、丁寧にそして真剣に練習を楽しんで下さい。決して年齢を根拠に偉そうに振舞ったりしないと良いですね。コツコツ練習してスキルが上がり怪我もせずに上達すれば、コミュニティーで認めて貰えるようになります。
また中高年男性が頻発する不快な音は意識して出さないようにして下さい。時間があれば中高年男性が発する不快音のページを参照してください。
締めくくりに
趣味は生活を彩り、時間を楽しく経過させてくれます。このリストを参考に、気になるものから始めてみてください。セカンドライフをさらに豊かにするヒントが見つかるはずです。
最後に大切なことをひとつ。
なにかを趣味にしようと意気込む必要はありません。
とにかく、面白そうだと思ったことを軽い気持ちで始めて、続いたものが結果的に趣味なのです。面白くなかったらやめて、次を探せばよいのです。
シニアの健康寿命は永遠ではありません。興味を持ったその瞬間が、動き出すタイミングです。
当サイト内の他記事への移動は…
『引退医師が提案するセカンドライフ記事まとめ:定年後の新しい生き方』へはこちらをクリック
『当サイト内記事トピック一覧』へはこちらをクリックで移動可能です。