ぽいぽいビジネス ――“らしさ”が通貨になる時代に

理屈コネ太郎による社会風刺エッセイ「ぽいぽいビジネス」のアイキャッチ。らしさで動く現代の会話を描く線画

はじめに|「ぽい」でまわる社会 理屈コネ太郎は、“それっぽさ”で成立している商売のことをぽいぽいビジネスと呼んでいる。論理っぽい、科学っぽい、正義っぽい──。本物である必要はなく、本物に見えることが目的化した経済圏だ。 … 続きを読む ぽいぽいビジネス ――“らしさ”が通貨になる時代に

あなたの感じた人種差別は本当に差別? ――感情と差別を区別する想像力

感情と構造を取り違えない想像力――人間理解をテーマにした理屈コネ太郎の社会エッセイより

はじめに|SNSにあふれる「被害の空気」 欧米での出来事をめぐり、「アジア人だから差別された」という声をSNSで頻繁に見かける。しかしその多くは、投稿者自身の無礼や非常識な態度に対する反応である場合もある。相手はその人を… 続きを読む あなたの感じた人種差別は本当に差別? ――感情と差別を区別する想像力

釣り・ゴルフ・将棋から考える偶然と必然──趣味の幸福論

序章:なぜ人は趣味で苦しむのか 趣味は本来、自由で楽しい行為のはずだ。それなのに、釣りで釣れないと不機嫌になったり、ゴルフで一打のミスを引きずったり、将棋で一手の判断ミスを長く悔やむ人がいる。 私はよく思う。なぜ、楽しむ… 続きを読む 釣り・ゴルフ・将棋から考える偶然と必然──趣味の幸福論

値段を知って「うわ、高っ!」と口走る人についての考察|未来の見積もりとお金の余裕

値段を知って「うわ、高っ!」と口走る人についての考察|未来の見積もりとお金の余裕

買い物の場で値札を見て「うわ、高っ!」と反射的に口にする人がいます。単なる驚きの一言に見えて、実はその人の経済状況や未来への信頼の度合いが透けて見えるのではないか──そんな観察から本稿を綴ります。 1. はじめに 買い物… 続きを読む 値段を知って「うわ、高っ!」と口走る人についての考察|未来の見積もりとお金の余裕

産業革命とキリスト教倫理──勤勉と召命が技術革新を支えた

はじめに 18〜19世紀にイギリスで始まった産業革命は、世界史を大きく変える出来事でした。蒸気機関や工場制機械工業が社会を変革し、都市化が進んで「近代的生活」が形をととのえていきます。 しかし産業革命を技術的・経済的現象… 続きを読む 産業革命とキリスト教倫理──勤勉と召命が技術革新を支えた

ルネサンスと科学革命の違い|時代背景・思想・人物のポイントを簡潔に解説

はじめに 「ルネサンス」と「科学革命」は、しばしば近代の出発点として並べて語られます。しかし両者は同じではありません。ルネサンスは文化的・精神的な再生運動であり、科学革命は自然認識の方法を根本から変えた知的転換でした。 … 続きを読む ルネサンスと科学革命の違い|時代背景・思想・人物のポイントを簡潔に解説

もう80年──歴史カードに振り回されない日本を見てみたい

はじめに|80年後の私たちに、何が求められているのか 戦争の終結から、間もなく80年の歳月が過ぎようとしています。当時を生きた世代はほとんどが鬼籍に入り、私たち日本人の多くは、戦争の記憶ではなく「戦後の努力」を背負って生… 続きを読む もう80年──歴史カードに振り回されない日本を見てみたい

正義の仮面を被った思想たち──マルクスとサルトルに問う、人間への責任

「偉い学者」と呼ばれる人々が、高尚な理論を語ることで社会に貢献してきたことは否定できない。だが、20世紀の歴史を振り返るとき、私たちはこう問わずにはいられない──その思想は、ほんとうに人間のためのもので、人間を幸せにした… 続きを読む 正義の仮面を被った思想たち──マルクスとサルトルに問う、人間への責任

ルネサンスから法治国家まで──キリスト教が近代をつくった5つの理由

はじめに|近代の形成とキリスト教的精神 本記事では、ルネサンス、科学革命、資本主義、産業革命、そして法治国家という5つの出来事を取り上げます。 これらはいずれもキリスト教文化圏(特に西方教会)から連続的に生じ、近代を形づ… 続きを読む ルネサンスから法治国家まで──キリスト教が近代をつくった5つの理由

科学技術は自然征服か寄り添いか?|「自然がいちばん」の誤解と真実

はじめに|科学技術は自然の敵か味方か? 「自然がいちばん」「人間は自然に手を出すべきではない」。そう言いたくなる気持ちはわかる。だが、それは自然に対する敬意だろうか、あるいは思考停止だろうか。 環境破壊、気候変動、科学の… 続きを読む 科学技術は自然征服か寄り添いか?|「自然がいちばん」の誤解と真実