序章:なぜ人は趣味で苦しむのか 趣味は本来、自由で楽しい行為のはずだ。それなのに、釣りで釣れないと不機嫌になったり、ゴルフで一打のミスを引きずったり、将棋で一手の判断ミスを長く悔やむ人がいる。 私はよく思う。なぜ、楽しむ… 続きを読む 釣り・ゴルフ・将棋から考える偶然と必然──趣味の幸福論
カテゴリー: 元医師が人生、社会、歴史について綴るエッセイ集
釣りに正解はない|文豪たちが釣りを人生にたとえた理由
釣りに「正解」があるのか?ボート釣りから得た気づき 最近ボート釣りをするようになって、「釣り」とは魚を「攻略」する行為ではないということに気が付いた。釣りとは、竿と糸を介して、自然界にいる魚と戯れたり対決したりする行為な… 続きを読む 釣りに正解はない|文豪たちが釣りを人生にたとえた理由
値段を知って「うわ、高っ!」と口走る人についての考察|未来の見積もりとお金の余裕
買い物の場で値札を見て「うわ、高っ!」と反射的に口にする人がいます。単なる驚きの一言に見えて、実はその人の経済状況や未来への信頼の度合いが透けて見えるのではないか──そんな観察から本稿を綴ります。 1. はじめに 買い物… 続きを読む 値段を知って「うわ、高っ!」と口走る人についての考察|未来の見積もりとお金の余裕
もう80年──歴史カードに振り回されない日本を見てみたい
はじめに|80年後の私たちに、何が求められているのか 戦争の終結から、間もなく80年の歳月が過ぎようとしています。当時を生きた世代はほとんどが鬼籍に入り、私たち日本人の多くは、戦争の記憶ではなく「戦後の努力」を背負って生… 続きを読む もう80年──歴史カードに振り回されない日本を見てみたい
正義の仮面を被った思想たち──マルクスとサルトルに問う、人間への責任
「偉い学者」と呼ばれる人々が、高尚な理論を語ることで社会に貢献してきたことは否定できない。だが、20世紀の歴史を振り返るとき、私たちはこう問わずにはいられない──その思想は、ほんとうに人間のためのもので、人間を幸せにした… 続きを読む 正義の仮面を被った思想たち──マルクスとサルトルに問う、人間への責任
ルネサンスから法治国家まで──キリスト教が近代をつくった5つの理由
はじめに|近代の形成とキリスト教的精神 本記事では、ルネサンス、科学革命、資本主義、産業革命、そして法治国家という5つの出来事を取り上げます。 これらはいずれもキリスト教文化圏(特に西方教会)から連続的に生じ、近代を形づ… 続きを読む ルネサンスから法治国家まで──キリスト教が近代をつくった5つの理由
科学技術は自然征服か寄り添いか?|「自然がいちばん」の誤解と真実
はじめに|科学技術は自然の敵か味方か? 「自然がいちばん」「人間は自然に手を出すべきではない」。そう言いたくなる気持ちはわかる。だが、それは自然に対する敬意だろうか、あるいは思考停止だろうか。 環境破壊、気候変動、科学の… 続きを読む 科学技術は自然征服か寄り添いか?|「自然がいちばん」の誤解と真実
科学はキリスト教から生まれた?──中世から近代科学への知の系譜
はじめに|「宗教vs科学」という通念の再検討 「科学は宗教と戦って勝ち取った合理性の産物」というストーリーは、近代以降に広く流布した俗説のひとつかもしれません。実際には、近代科学が成立するための精神的・制度的基盤は、中世… 続きを読む 科学はキリスト教から生まれた?──中世から近代科学への知の系譜
ミシェル・フーコーという問いの人──「思考の様式」をくれたけれど、届かなかった哲学者
はじめに|彼の言葉は難しい。でも、それだけで切り捨てていいのか? ミシェル・フーコーというフランスの思想家がいます。一般にはあまり知られていないかもしれません。彼の書いた本は非常に難解で、読もうとするとたいていの人が挫折… 続きを読む ミシェル・フーコーという問いの人──「思考の様式」をくれたけれど、届かなかった哲学者
グローバリズムという言葉の欺瞞
【第1章:似た言葉で誘導される誤解】 「グローバル化」と「グローバリズム」は似た語感を持ちながら、意味する内容はまったく異なる。 グローバル化とは、社会の要請や技術革新によって自然に進んでいく、経済や情報の地球規模での拡… 続きを読む グローバリズムという言葉の欺瞞