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■ はじめに
資産形成という言葉は広く使われていますが、その本質的な違いをわたし理屈コネ太郎の管見内の私見で説明します。
多くの人が「もっとお金を増やしたい」「将来に備えたい」という理由で投資に関心を持ちます。しかし “稼ぐ”と“資産形成”はまったく異なる行為 であり、この違いを理解しないまま投資に取り組むと、努力の方向性がズレてしまいます。
本稿では、この2つの違いを明確にしながら、資産形成という行為の背後にある「文明的・構造的メカニズム」を整理しておきたいと思います。
■ 第1章:稼ぐとは「時間を対価に変える」行為である
人は働くことで所得を得ます。しかし、どれだけ優秀であっても 労働による収入には必ず上限があります。
1時間で稼げる金額。
働ける時間そのもの。
精神的・肉体的な余力。
生活維持に必要な休息。
これらは人間である以上、誰にも等しく存在する制約です。
時給1万円であっても、1日8時間働けば8万円が限度。
時給3000円なら、1日2.4万円。
この枠から抜けることはできません。
つまり労働とは、
「時間という有限資源の切り売りによって収入を得る行為」
であり、そこには物理的かつ生物学的な限界があるのです。
だから多くの人は、自分の収入に対し次第にこう思うようになります。
「もっと自由に選択できる生活を送りたい」
「この収入のままで未来は大丈夫なのか」
しかし、労働という一次エンジンには必ず限界が訪れます。
■ 第2章:資産形成とは「余剰資金を経済の拡張画面に置く」行為である
資産形成とは何か。
ひと言で言えば、
手元に残った余剰資金を、人類全体の経済活動が生む“成長エンジン”に預ける行為である。
これは、労働の延長線ではありません。
資産形成は、労働から独立した「もう一つの成長装置」です。
資産形成の本質は次の通りです。
自分が寝ている間も、
仕事をしている間も、
趣味を楽しんでいる間も、
世界中の何億人もの人間がより良い生活を求め、
企業が生産性を高め、商品を売り、利益を積み重ね、
結果として株価や配当という形であなたの資産が自動的に増えていく。
これはつまり、
「世界中の他人の努力と欲望を、自分の味方にする仕組み」
が資産形成だということです。
■ 第3章:デイトレは資産形成ではなく“労働”である
ここで重要なのは、
“投資”と呼ばれる行為がすべて資産形成に分類されるわけではない
という点です。
たとえばデイトレードは、チャートを凝視し、瞬間的な価格変動を追い続ける行為です。
これは明らかに、
時間
注意力
認知資源
体力
メンタル耐性
を大量に消費する、“高度な労働”です。
そして、手数料・スプレッド・税金・売買回数の増加などを考えると、
デイトレードは資産形成としての効率が極めて悪い。
デイトレは否定されるべきものではありません。
娯楽として、あるいは「合法的なギャンブル」として楽しむ価値はあります。
ただしそれは 資産形成とは別の領域 に分類されるべき行為です。
■ 第4章:資産形成は、労働とは別の“第二エンジン”である
ここまで整理すると、
稼ぐ=人間の時間という有限のエンジン
資産形成=文明の成長に乗る無限のエンジン
という違いがはっきりします。
まずは労働によってキャッシュフローを増やし、
その余剰を成長する場所に置くことで、
人生は二段エンジンを持つことになります。
これは単に「お金を増やす技術」というより、
“人間という存在が限界を超えるための構造的工夫”
と言っていいかもしれません。
■ 結び:資産形成とは、“人類の欲望”を味方にする技術である
資産形成とは、自分の労働力とは独立した、もうひとつの成長装置を持つことです。
労働でキャッシュフローを作り、
その余剰を人類の欲望が生み出す成長エンジンに預け、
時間とともに資産が自動的に膨らんでいく。
この構造を理解すれば、「投資=難しくて危険なもの」という誤解が消え、
日々の株価やニュースに振り回される必要もなくなります。
資産形成とは、お金でお金を増やすことではなく、
人類全体の欲望と努力を“あなたの未来の味方に付ける”行為なのです。
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筆者紹介は理屈コネ太郎の知ったか自慢|35歳で医師となり定年後は趣味と学びに邁進中
