ボート保管中のカビと劣化を防ぐ|維持管理のキモは除湿

ボートを長く快適に使い続けるために、見落とされがちだが極めて重要なのが「湿度管理」です。特に船内という密閉空間では、湿気がもたらす悪影響が想像以上に大きいのです。

わたし理屈コネ太郎は、木造船についてはあまり詳しくありませんが、海上係留されている樹脂製ハルのボートであれば、除湿して悪いことは、まずありません

むしろ、定期的な除湿がボートの寿命と快適性を大きく左右すると実感しています。


Contents

なぜ湿気が危険なのか?

湿度の高い船内環境は、以下のようなさまざまな問題を引き起こします。

  • カビの繁殖

  • 乗員が持ち込む微生物の増殖

  • 配線・スイッチ類への腐食や接触不良

  • クッションや内装材の劣化

  • 臭気の蓄積

ボートの内部は窓や通気口が少なく、空気が滞留しやすい構造です。そのため、一度湿度が上がると下がりにくく、被害がジワジワ進行するのが厄介なところです。


理想は除湿器の常時稼働

最もおすすめなのは、陸電(陸上電源)が使える環境であれば、除湿器を常時稼働させておくことです。定格出力の小さな家庭用除湿器でも、船内のような小空間なら十分効果があります。

船内の各区画にまんべんなく除湿効果が届くよう、適度にドアや仕切りを開放しておくとさらに理想的です。


陸電がない場合の次善策

係留場所によっては、陸電が使えないことも多いでしょう。そんなときでも、いくつかの対策があります。

◎ ポータブル電源+除湿器の活用

最近では、大容量のポータブル電源が一般化し、小型除湿器を半日〜1日程度動かせるモデルも増えてきました。

  • ポータブル電源(例:1000Whクラス)+50W除湿器 → 約20時間稼働可能 (小型船舶の家電事情とポータブル電源については『小型船舶の家電事情|電源なしでどうする?』に詳述しました。時間とご興味があれば参照してください。)

  • タイマー付きで1日数時間でもOK

  • ソーラー充電対応モデルなら長期保管にも応用可

これはコストこそかかりますが、「船を大切に使いたい」オーナーにとっては十分に価値のある投資と言えます。

◎ サーキュレーターによる換気

バッテリー式のサーキュレーターを用い、月に一度程度、船内の空気を1日かけて動かすだけでも、一定の効果があります。特に、湿気がこもりやすいベッド下や収納庫まわりは積極的に空気を流すようにしましょう。


出航できない時期こそ「換気の儀式」を

理想は、頻繁に出航してそのたびに換気と除湿を行うことですが、現実にはなかなかそうもいきません。

そんなときでも、“できるときだけでいい”ので、以下を意識してみてください。

  • 晴れた日中にマリーナに立ち寄る

  • できるだけすべてのハッチ・ドアを開放する

  • 各区画の空気を入れ替えるように滞在

10分でも30分でも構いません。船内に滞留していた空気と湿度を「開放する」ことが、ボートの劣化とトラブルの芽を摘む第一歩です。


まとめ:少しの気配りが大きな差に

ボートの維持管理において、湿気は静かに忍び寄る最大の敵です。しかし、ちょっとした工夫や習慣によって、その悪影響をかなり軽減することができます。

  • 陸電があれば除湿器を常時稼働

  • 陸電がなくてもポータブル電源やサーキュレーターで対応可能

  • 出航しない時でも、ハッチを開けて空気を入れ替えるだけで効果あり

「少しでも船内の湿度を下げておこう」と意識するだけで、ボートの快適性と耐久性は格段に変わります。今日からできる範囲で、湿気対策を始めてみてはいかがでしょうか。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です