この医者は危険?見極める5つのサインと失敗しない対処法

胆嚢と胆管 MRCP
正常な胆嚢と胆管

診察を受けたあとに、「この医者で本当に大丈夫か?」と感じたことはありませんか。

まず前提として、世の中には実際に
能力に欠ける医師や、診療に真摯でない医師が存在し、日常的に診療を行っているのも事実です。

また、患者に寄り添う姿勢を見せながら、
自身の診療能力の不足を目立たなくしているようなケースもあります。

ただし、そのような医師であっても、自身の対応可能な範囲を超えると判断した場合には、他の医療機関や医師へ紹介することが多く、結果として大きな問題に至らないケースも少なくありません。

一方で、医療現場では医師が1日に数十人以上の患者を診察することもあり、説明が簡潔になったり、対応がそっけなく見えることも珍しくありません。

つまり、
本当に問題のある医師なのか
それとも
忙しさの中で効率的に診療している医師なのか
は区別する必要があります。

本記事では、その違いを見極めるための基準と、現実的な対処法を整理します。


Contents

医療の質は「判断の過程」に現れる

医師を評価するとき、多くの人は
「優しいか」「丁寧か」といった印象で判断しがちです。

しかし医療の本質はそこにはありません。

重要なのは、
どのように考え、どのように判断しているかです。

臨床医の最初の仕事は、患者の訴えをそのまま受け取ることではなく、
それを医学の文脈で再構成することにあります。

この「翻訳」の質こそが、医療の質を決めます。


この医者は危険?見極める5つのサイン

以下は、忙しさとは無関係に現れる「判断過程の問題」です。


① 症状が再構成されない

例えば「胃が痛い」という訴えは医学的には曖昧です。

どの部位なのか、どのような痛みなのか、いつからなのかによって、
意味は大きく変わります。

良い医師はこれらを確認し、症状を医学的な情報として整理します。

この過程がなければ、最初の前提がずれたまま診療が進みます。

患者が提示する情報が診察にどう影響を与えるかについては医者はなぜいつもせっかち? 不機嫌?に詳述しています。


② 不安が整理されない

患者の心配が医学的にどういう意味を持つのかが整理されない場合、
判断の質は担保されません。

単に「大丈夫です」で終わるのではなく、
なぜそう言えるのか、あるいはなぜ評価が必要なのかが説明される必要があります。


③ 判断の理由が示されない

検査をする・しない、治療を行う・行わない。
そのどちらであっても、理由が示されない場合は注意が必要です。

結論だけでなく、判断の根拠が共有されているかが重要です。

なお、患者の不安が医学的に妥当な場合、
可能な範囲で検査を行い評価するという考え方にも一定の合理性があります。


④ 判断が更新されない

同じ説明や同じ処方が漫然と続くだけで、見直しが行われない場合、
状況に応じた判断がなされていない可能性があります。

医療は経過に応じて更新されるものです。


⑤ 印象で評価を誤らせる

丁寧で優しい対応は安心感を生みますが、
それが適切な判断を意味するわけではありません。

逆に、忙しく簡潔な対応であっても、
判断が適切であれば問題はありません。

重要なのは印象ではなく、判断の中身です。


どう行動すべきか

違和感があった場合でも、すぐに医療機関を変える必要はありません。
まずは現在の診療の中で、判断の過程を観察することが重要です。


① 指示された検査や治療を一度受ける

医療は結果と経過を含めて評価されます。
途中で判断を変えると、全体像が見えなくなります。


② 経過を踏まえて判断する

検査結果や治療の効果を見たうえで、
説明や方針に納得できるかを判断します。

特に重要なのは、期待された効果が得られなかった場合の対応です。

まずはその医師に再度相談することが重要です。
医療は一度の判断で完結するものではなく、経過に応じて修正されるべきものだからです。

このとき注目すべきポイントは次の通りです。

・検査や治療前の説明と、その後の説明に整合性があるか
・結果を踏まえて、方針の見直しが行われているか
・患者の不安や疑問に対して理解を示しているか

これらが満たされていれば、診療は適切に更新されています。

一方で、
・説明が食い違う
・方針の修正がない
・不安に対する反応が乏しい

といった場合は、判断過程に問題がある可能性があります。

この段階で、医師を変更するかどうかを検討してもよいでしょう。

※なお、ここでいう検査や治療には、外科手術などの不可逆的な医療行為は含みません。


③ 必要に応じて医師を変更する

判断に納得できない場合は、医師の変更も選択肢です。

その際は、可能であれば紹介状(診療情報提供書)を持参することで、
診療の連続性と情報の正確性が保たれます。

紹介状は依頼すれば基本的に発行してもらえます。
有料であり、当日発行できない場合もありますが、発行を拒まれることはほとんどありません。

依頼理由については、
「現在の診療に不安がある」など率直に伝えて問題ありません。


紹介状に関する実務上の注意点

紹介状には通常、宛先(医療機関名)が記載されます。

このため、
特定の医療機関宛の紹介状は、別の医療機関では使用できない場合があります。

次の受診先が未定の場合は、
宛名を空欄で発行してもらうよう依頼することで、柔軟に対応できることがあります。


補足|態度の問題は別に考える

診療能力と、言葉遣いや態度は別問題です。

態度に強い不快感があり、信頼関係が成立しない場合は、
我慢する必要はありません。

その場合は医師を変更することが合理的です。


補足|「寄り添う姿勢」と診療能力は一致しない

患者に寄り添う態度は重要ですが、それだけで医師の質が担保されるわけではありません。

中には、共感的な対応によって診療能力の不足が見えにくくなっているケースもあります。

また、他の医療機関への紹介を勧められる場合がありますが、
これは必ずしも問題ではなく、

・自身の対応可能範囲を適切に見極めている
・無理に診療を継続しない判断をしている

というケースもあります。

紹介を受けた場合は、その判断を前提に次の診療に進むことも合理的です。


まとめ

医療の質は、結論ではなく
判断の過程に現れます。

・症状が整理されているか
・判断の理由が示されているか
・状況に応じて更新されているか

この3点を軸に見れば、
忙しさや印象に惑わされずに判断できます。

違和感をそのままにせず、
観察し、判断し、必要なら行動する

これが、医療との適切な向き合い方です。


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