投資銀行とは何か|都市銀行・コンサルとの違い

投資銀行という言葉はよく聞きますが、その実態は意外に誤解されています。

まず結論から言えば、投資銀行は

銀行のように預金を集めて貸し出す金融機関ではありません。

また、企業の戦略を助言するコンサルティング会社とも異なります。

投資銀行は、企業の資金調達や企業買収などの金融取引を仲介する機関です。

その違いを理解するために、まず都市銀行の業務から整理します。


Contents

都市銀行の業務|預金と融資のビジネス

都市銀行のビジネスモデルは比較的単純です。

都市銀行は

  1. 預金を集める

  2. その資金を企業や個人に貸し出す

という構造を持っています。

つまり銀行は

預金を原資に融資を行う金融仲介機関

です。

資金の流れを簡単に図式化すると次のようになります。

預金者

都市銀行

企業・個人

銀行の収益は主に

貸出金利と預金金利の差(利ざや)

です。

つまり都市銀行は

自分のバランスシートでお金を貸すビジネス

を行っています。


投資銀行の業務|証券業としての金融仲介

一方、投資銀行は銀行とは異なるビジネスモデルを持っています。

法律上、投資銀行の業務は

証券業

に属します。

つまり投資銀行は

  • 株式

  • 社債

  • M&A

などの資本市場取引を扱います。

代表的な業務は次の三つです。

  • IPO(株式公開)

  • 社債発行

  • M&Aアドバイザリー

資金の流れは次のようになります。

投資家

資本市場

投資銀行(仲介)

企業

ここでいう資本市場とは、株式市場や社債市場など、企業が証券を発行して投資家から資金を調達する金融市場を指します。

資本市場の代表例は

  • New York Stock Exchange

  • NASDAQ

  • Tokyo Stock Exchange

などの証券取引所です。

ここでは

  • 株式

  • ETF(Exchange Traded Fund:上場投資信託)

などが売買されています。

ETFとは、株式市場に上場されている投資信託で、株式と同じように市場で売買できる金融商品です。

都市銀行が自ら資金を貸すのに対し、投資銀行は

投資家と企業をつなぐ仲介者

です。

したがって、都市銀行のような

  • 預金業務

  • 融資業務

は行いません。


投資銀行とコンサルの違い

投資銀行の業務を見ていると、

  • M&Aアドバイザリー

  • 資金調達の助言

などがあるため、コンサルティング業に似ているように見えるかもしれません。

しかし両者には決定的な違いがあります。

項目投資銀行コンサル
業務金融取引の仲介経営助言
対象IPO・社債・M&A戦略・組織
報酬成功報酬が中心フィー

コンサルは企業の意思決定を分析・助言する立場ですが、

実際の金融取引には関与しません。

一方、投資銀行は

  • 株式発行

  • 社債発行

  • 企業買収

などの取引そのものを成立させる役割を担います。

つまり

コンサルは助言者
投資銀行は金融取引の仲介者

です。


なぜ銀行ではなく資本市場から資金を調達するのか

企業の資金調達には、大きく分けて二つの方法があります。

方法内容
銀行融資銀行から借りる
資本市場株式や社債を発行する

小規模な企業の場合、多くは銀行融資を利用します。

しかし企業が大きくなると、銀行融資だけでは資金調達が難しくなります。

理由は主に二つあります。


資金規模の問題

銀行が貸し出せる資金には限界があります。

例えば

  • 工場建設

  • 大規模M&A

  • 海外投資

などでは、数千億円規模の資金が必要になることもあります。

このような資金を一つの銀行が貸し出すことは難しいため、企業は資本市場を利用します。

資本市場では

  • 多数の投資家

  • 年金基金

  • 保険会社

などから資金を集めることができます。

つまり

銀行一行ではなく、市場全体から資金を集める

ことができるのです。


リスク分散

銀行融資では、貸出リスクは銀行が負います。

一方、株式や社債の場合は、投資家がそのリスクを負います。

つまり

銀行融資

銀行 → 資金 → 企業
(リスクは銀行)

資本市場

投資家 → 市場 → 企業
(リスクは投資家)

この仕組みによって、大規模な資金調達が可能になります。


ここで投資銀行が必要になる

企業が資本市場で資金を調達する場合、次のような専門的な作業が必要になります。

  • 発行条件の設計

  • 投資家の募集

  • 証券販売

  • 価格決定

この役割を担うのが投資銀行です。

投資銀行は

企業と資本市場を結びつける仲介者

として機能します。


三者の役割の違い

ここまでの整理をまとめると次の通りです。

組織ビジネスモデル
都市銀行預金を原資に融資する
投資銀行資本市場取引を仲介する
コンサル経営判断を助言する

都市銀行は

資金を貸す金融機関

投資銀行は

資本市場の仲介機関

コンサルは

経営判断の助言者

です。


まとめ

投資銀行という言葉は「銀行」という名称を持っていますが、

都市銀行のような預金・融資業務を行う金融機関ではありません。

投資銀行は証券業として

  • 株式発行

  • 社債発行

  • M&A

などの金融取引を仲介する機関です。

また、企業戦略を助言するコンサルティング会社とも役割が異なります。

都市銀行、投資銀行、コンサルの三者は企業の周辺で活動していますが、そのビジネスモデルはそれぞれ明確に異なっています。


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