Contents
はじめに|本稿の位置づけ
これまでに、
不倫を制度と欲求の不整合として整理し
その歴史的処理方式を確認し
制度の適合性を評価し
再設計の可能性を検討しました
本稿では視点を個人に移し、
結婚という制度を選択するとは何を引き受けることなのか
を構造的に整理します。
第1章|前提|選択対象は完全に整合した制度ではない
結婚制度は、
一部では現実に適合し
一部では不整合を含む
構造を持っています。
したがって個人の選択は、
整合した制度を選ぶことではなく、
不整合を含む制度を受け入れるかどうか
という問題になります。
第2章|引き受けの内容
結婚を選択することは、次のような要素を同時に引き受けることを意味します。
1|時間的変動の受容
関係や感情が変化する可能性を前提にします。
2|排他性の制約
関係外への選択肢が制限されます。
3|役割集中の負荷
複数の機能を一つの関係で担う負荷が生じます。
4|不確実性の受容
関係の持続や変化に関する不確実性は回避できません。
第3章|誤認の構造
この引き受けが曖昧なまま選択されると、いくつかの誤認が生じます。
1|感情の持続前提
現在の感情がそのまま維持されると想定されやすいです。
2|過剰な機能期待
単一関係に多くの役割を求める傾向があります。
3|リスクの過小評価
制度の利点が強調され、制約や不整合が軽視されます。
第4章|不倫との連続性
これらの誤認は、不倫の構造と連続しています。
結婚時:変動を固定として扱う
不倫時:固定を相対化する
このように、
同一の不整合が、異なる局面で異なる処理をされている
と整理できます。
第5章|意思決定としての整理
結婚の選択は、
「正解を選ぶ」問題ではなく、
どの不整合を許容するかを選ぶ問題
と整理できます。
具体的には、
安定と引き換えに自由度を制限する
排他性と引き換えに選択肢を減らす
統合と引き換えに負荷を受け入れる
といった選択になります。
第6章|引き受けの明確化
意思決定として重要なのは、
何を得るか
何を失うか
ではなく、
何を引き受けるかを明確にすること
です。
引き受けが明確であれば、
過剰な期待は抑えられ
不整合に対する耐性も上がります
第7章|限界|完全な合理性は成立しない
ただし、この意思決定を完全に合理的に行うことは難しいです。
感情が意思決定に強く影響する
将来の状態を正確に予測できない
ためです。
したがって、
結婚は完全に合理的な選択にはなりにくいが、
構造を理解することで判断の歪みを減らすことは可能
と整理できます。
第8章|結論
結婚という制度を選ぶことは、
安定を得る選択であると同時に
制約と不整合を引き受ける選択でもあります
したがって、
結婚は「正しいかどうか」ではなく、
どの構造を自らの条件として受け入れるかという選択
と捉えることができます。
結婚とはそもそもなんだったか…と原点に返りたい方は結婚とは何か|恋愛とは別の制度としての婚姻を構造整理
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