医者に伝わる伝え方とは?|症状説明で失敗しない「具体化」のコツ

診察では、具体的に、明示的に。
診察では、具体的に、明示的に。

診察で「うまく伝えたつもりなのに話が通じない」と感じたことはないでしょうか。

その原因の多くは、情報が具体的でないことにあります。

医療は言語による情報交換に大きく依存しています。
だからこそ、言語化できることは具体的に言う必要があります。

本記事では、医師に正確に伝わる情報の出し方を、診療現場の構造から解説します。


Contents

はじめに

診察の現場で、受診者と医師の情報交換は言語に大きく依存します。
全く言葉の通じない外国人が受診者の場合、基本的には診察行為は成立しません。特にインフォームドコンセントを前提とした医療は、原理的に成立しません。

言語に依存するということは、言語化可能な事柄は言語化し、具体的に表現できることは具体的に表現する必要があるということです。

しかし、医療の専門家でない受診者が医学的に正確な言語化を行うことは困難です。
そのため、受診者の言語情報を医学のフレームワークに落とし込み、問題を再構築するのも医師の仕事です。


具体的に伝えられる数少ない情報「薬の名前」

受診者が具体的に情報を提示できる数少ない例の一つが、
以前処方された薬を再度希望するケースです。

この場合、医師が求めているのは

  • 薬の名称

  • もしくは薬を特定できる確実な情報

です。


「色や形」はほぼ無意味になる理由

「ピンクで丸い便秘の薬」といった説明をする受診者は少なくありません。
しかし、現在の医療体制ではこの情報はほとんど役に立ちません。

なぜなら、現代医療は医薬分業が基本だからです。

医師は薬そのものを扱わず、処方箋を記載するだけ。
実際に薬を扱うのは薬局です。


なぜ医師に伝わらないのか

この構造では、医師は薬の「色や形」を前提に判断していません。

さらに、

  • 同じような色・形の薬は多数存在する

  • ジェネリック医薬品により種類はさらに増えている

このため、「見た目の情報」は識別情報として機能しません。

結果として、時間と労力の浪費になります。


最も確実な方法

最も確実なのは、誤認の余地がない情報を持参することです。

  • お薬手帳

  • 薬のパッケージ(ヒート)

  • 処方履歴

これらがあれば、医師は即座に薬を特定できます。


結論

医療は言語による情報交換で成り立っています。

だからこそ、

  • 言えることは具体的に言う

  • 特に識別が必要な情報は「曖昧にしない」

これが重要です。

それは結果として

  • 診察時間の短縮

  • 医療の正確性向上

  • 待ち時間の短縮

につながります。


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管理人の自己紹介は理屈コネ太郎の知ったか自慢|35歳で医師となり定年後は趣味と学びに邁進

作成者: 理屈コネ太郎

元消化器内視鏡医・産業医。現在は社会・人間行動・構造分析をテーマに執筆活動を行う。定年退職後はヨット・ボート・クルマなど趣味と構造研究の日々を過ごす。

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