ヨット初心者が最初に覚える3用語|セイル・ハリヤード・シートとは?

ヨットを始めると、聞き慣れない言葉が次々に出てきます。

しかし、最初から全部覚える必要はありません。

まず、

セイル(帆)
ハリヤード(セイルを上げるロープ)
シート(セイルの向きを調整するロープ)

この3つを理解すると、ヨットの上で何をどうしているのかがかなり分かりやすくなります。

本ページでは、この「ヨットのキホンのキ」ともいえる3用語だけに限定して説明します。

ヨットには複数の種類のセイルがあり、それぞれロープの取り回しや操作方法には違いがあります。しかし、セイルをハリヤードで上げ、シートを操作して風に対するセイルの状態を調整する、という基本的な考え方は共通しています。

まず、この3つの関係から覚えてしまいましょう。

1.セイル(帆)

ヨット界隈では、帆のことを「セイル」あるいは「セール」と呼びます。

洋上での声掛けでは外来語がそのまま使われている用語が非常に多く、ヨットを始めると、この独特の言葉遣いにも少しずつ慣れていくことになります。

一般的なヨットで使われるセイルの多くは、おおむね三角形をしています。

まず、下のような直角三角形ABCをセイルに見立てて考えてみます。

直角三角形でセイルを模した図
セイル、帆、の模式図です。この図はメインセイルで、辺ABがマストに連結されています。

たとえば、

AB=2
BC=1
AC=√5

で、角ABCが直角である三角形とします。

この数字は実際のセイル寸法ではなく、形を説明するための比率の話です。

セイルは、帆走していないときには畳まれています。

ブームの上に畳まれたセイル
【写真1:畳まれたセイルを後方から撮影】

そして、セイルを上げていくと、次のような姿になります。

七割程度までメインセイルを展開した状態
【写真2:7割程度までセイルを上げた状態】

図1の三角形に近い形が現れてきたのが分かると思います。

では、畳まれていたセイルを、どうやってここまで上げるのでしょう。

図1のAに相当するセイル最上部には、ロープが接続されています。

その部分を写真で見てみます。

畳まれたセイルのAの位置に挙上上ろロープが金具で接続されている。
【写真3:図1のAに相当する部分へ挙上用ロープが接続されている状態】

ここにつながっているロープを引けば、セイルのA部分がマスト上方へ引き上げられます。

操船者側から見ると、そのロープは下の写真のようになっています。

左から二番目がセイルを引っ張り上げるロープ
【写真4:左から2番目のロープがセイルを引き上げるロープ】

このロープを引くことで、セイルが上がっていきます。

この、**セイルを上げるためのロープが「ハリヤード」**です。

2.ハリヤード|セイルを引き上げるロープ

ハリヤードは、セイルを上げるために使うロープです。

セイラーが手元のハリヤードを引くと、その力がマスト上部を経由してセイルへ伝わり、セイルが上方へ引き上げられます。

いわゆる「セイルを張る」作業の最初のステップです。

『理屈コネ太郎』のヨットでは、ハリヤードは操船者の手元からマスト方向へ走り、マスト内部などを経由して上方へ向かいます。

赤っぽいロープがハリヤード
【写真5:赤っぽいロープがハリヤード。ここからマスト内を上方へ走る】つまり、

つまり

ハリヤードを引く
➡セイル上端が上がる
➡畳まれていたセイルがマストに沿って展開していく

という関係です。

ところが、セイルを上まで引き上げただけでは、風に対するセイルの向きを自由に調整することはできません。

そこで登場するのが「シート」です。

3.シート|セイルの向きを調整するロープ

シートも、ヨットでは非常によく使う言葉です。

初心者には少し紛らわしいのですが、ヨットでいう「シート」は座席のことではありません。

セイルを操作するためのロープです。

たとえばジブやジェノアなどの前方のセイルでは、セイル後方の角へシートが接続され、そのシートを引いたり緩めたりすることで、風に対するセイルの角度や張り具合を調整します。

図1でいえば、C付近を操作して、三角形のセイルを風に対してどのような状態にするかを決めるイメージです。

ただし、すべてのセイルで同じようにCを直接下方へ引くわけではありません。

メインセイルの場合には、セイル後方下部はブームに保持され、メインシートは主としてブームそのものの角度を調整します。

したがって、初心者の段階では、

ハリヤード=セイルを上げるロープ

シート=上げたセイルの向きや状態を調整するロープ

と覚えておけば十分です。

ヨットの上では、ハリヤードとシートが何本も存在します。

しかし、

「これは何のセイルを上げるハリヤードなのか」

「これは何のセイルを操作するシートなのか」

と考えれば、少しずつロープの役割が見えてきます。

4.まず3つの関係を覚えればよい

ヨットには、覚えなければならない専門用語がたくさんあります。

しかし、最初からすべてを覚えようとすると、かえって分かりにくくなります。

まずは、

セイル=風を受ける帆

ハリヤード=セイルを上げるロープ

シート=セイルの向きや状態を調整するロープ

この3つを覚えてしまいましょう。

セイルを上げるにはハリヤードを使う。

上げたセイルを風に合わせて調整するにはシートを使う。

この関係が分かれば、マリーナやヨットスクールで、

「ハリヤードを引いて」

「シートを少し緩めて」

と言われたときにも、何をしようとしているのかが理解できるようになります。

ヨットのロープ類は、一見すると非常に複雑です。

左から二番目がセイルを引っ張り上げるロープ
【写真:複数のロープが並んだ操作部】
赤っぽいロープがハリヤード
【写真:マスト基部を通る複数のロープ】

しかし、それぞれのロープには役割があります。

まずセイル、ハリヤード、シート。

この3つが、『理屈コネ太郎』が考えるヨットのキホンのキです。


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筆者紹介は『理屈コネ太郎の知ったか自慢|35歳で医師となり定年後は趣味と学びに邁進』

作成者: 理屈コネ太郎

元消化器内視鏡医・産業医。現在は社会・人間行動・構造分析をテーマに執筆活動を行う。定年退職後はヨット・ボート・クルマなど趣味と構造研究の日々を過ごす。

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