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第1章|シニアの服はもっとも身近なプロテクターである
シニアにとって服は、文字通りもっとも身近な身体防御装置である。
暑さ・寒さ・湿度・紫外線・雨風といった外界の厳しさから身体を守るための、極めて実用的な装備だ。
そして重要なことは、
その服選びを配偶者や家族に任せないことである。
自分の考えで自分で選び、自分で評価することが大切だ。
暑さや寒さへの耐性は人それぞれ違う。
紫外線への感受性も、汗のかき方も、肌に触れる繊維の好みも個人差が大きい。
たとえば、肩が痛くて腕が上がらない人にとって、被り物のような服は現実的ではない。
ボタンやジッパーで前が完全に開く服のほうがよい場合も多い。
こうした不都合は、本人でなければ分からない。
他人任せにすると、その違和感が買い物に反映されない。
だからこそ、自分の身体に直接影響する服は、
自分で選び、自分で管理したほうがよい。
第2章|服は「着る」だけでなく「管理」も自分でやる
私は、自分で着る服はすべて自分で購入し、洗濯し、乾燥し、収納している。
もっとも、収納といっても畳んだりはしない。
手間を省くため、畳まなくても問題のない服しか購入しないからだ。
そのため、家の中のどこに、どんな下着やシャツ、ボトムス、ジャケットがあるかは把握している。
結果として、人の手を煩わせることなく外出の準備ができる。
その日をもっとも快適に過ごせそうな服を自分で選び、着て、
鏡の前でくるりと一回りして、変なところがないかを確認してから出かける。
これは些細なようでいて、
生活の身体と、それを守る服を自分で管理するという行為のひとつである。
第3章|季節別に考える服の機能要件
冬|保温と放湿、そして調整可能性
冬は保温性と防寒性が重要になる。
ただし同時に、発汗による湿度を外に逃がす性能も欠かせない。
このあたりの塩梅は、
自分で何度も経験しなければ分からない部分でもある。
室内、屋外、日照時間中、夕方、夜――
外気温は一日の中で大きく変化する。
その変化に対応できるよう、
脱ぎ着で温度調整できるアウターを持って出かけるほうが、身体への負担は少ない。
ちなみに、防風・防寒・保温はそれぞれ異なる概念であり、
レイヤー選びには有用なのだが、その説明は本記事の趣旨ではないので割愛する。
私がダウンジャケットをあまり着ない理由(私的な話)
私は既成のダウンジャケットをあまり着ない。
毎シーズン専門店でチェックしているが、私が求めるものはまだ開発されていない。
それは、肩や首周りのダウンが薄く、私には寒く感じるからだ。
私は首周辺の冷えに弱く、僧帽筋の稜線が冷えるとすぐ肩をすくめてしまう。
ところが多くのダウンジャケットは、ちょうどその部分が一番薄い。
これはあくまで私個人の身体感覚や好みの話であり、
他人に当てはまるとは限らない。
重要なのは、
自分の身体の性質や好みを理解し、それに合った服を選ぶことだ。
それは自分にしかできない。
夏|汗・サラサラ感・紫外線・虫への対策
夏は、汗を吸収・発散させる機能性生地で肌にフィットする下着が良い場合もあれば、
肌と服の間に空間を作り、風通しを優先したほうが快適な場合もある。
私は夏でも基本的に半袖を着ない。
ボトムスも、裾が靴まで届く長さのものを選んでいる。
理由は紫外線対策だけでなく、
虫刺されを防ぐためでもある。
第4章|機能性衣類は「まとめ買い」で管理する
最近は、機能性に優れた衣類がどこでも手に入る。
私はマリーナの近くにあるユニクロに年に数回行き、そのシーズンを通して使う下着、Tシャツ、ボトムスを一括で購入している。
同じサイズ
同じ商品
インナー・ミドル・アウターをレイヤー単位で
一気に揃える。
これにより、管理が非常に楽になる。
第5章|洗濯と乾燥まで含めて「服選び」は完結する
特に夏は、一日に何度も着替える。
シャワーを浴びたり、濡れタオルで全身を拭いたりするたびに服を替える。
脱いだ服は洗濯機に入れ、
二日分ほどまとめて夜間に洗濯・乾燥する。
私は乾燥機付き洗濯機の愛用者であり、
洗濯機で洗えない服
乾燥機で乾燥できない服
は、新規に一切購入しない。
管理できない服は、最初から持たない。
そして古くなった服は作業用に格下げする。
さらに汚れたら、船やクルマ、道具を磨くためのウエスや緩衝材、
あるいは雑巾として使い切る。
第6章|靴下は靴内のベンチレーター
靴下は、清潔な生活を支える重要なアイテムだ。
靴と足の皮膚の間の通気性を確保してくれる。
直足で靴を履くとすぐ臭くなる人でも、
靴下を履くだけで状況が改善することは多い。
靴はシニアにとって、生活用具であると同時に足裏防御装置でもある。
合わない靴は、腰や膝に確実に負担をかける。
私は普段、白いスニーカーを履いている。
時々黒も履くが、それもスニーカーだ。
靴底が革製の靴は、意識的に避けている。
人体の運動生理学にあまり合っていないと感じるからだ。
第7章|「最低限の清潔感」は社会的配慮である
服選びでは、まず機能性を優先する。
その上で、ほんの少しだけファッション的要素を考慮する。
サイズが極端に合っていない
色の配置が強烈すぎる
明らかに耐用期間を過ぎている
いかにも「ヤバそうな中高年」に見える
清潔感の点で不快感を与えないか
この程度を気にするだけで十分だ。
おしゃれを楽しむ必要はない。
人に不快感を与えない最低限でよい。
第8章|寝具も服と同じ「身体防御装置」
服と同様に、寝具も年々進化している。
特段高価でなくても、驚くほど暖かい毛布や、様々な形状の枕が販売されている。
特に枕は、実際に使ってみないと合うかどうか分からない。
そのため、高額すぎる商品は選ばないほうがよい。
最近はリーズナブルな商品が多いので、
年齢や季節ごとに枕を変えるという選択も現実的だ。
睡眠の質は、日中の活動の質を大きく左右する。
結び|自分の身体を守る最小単位としての服選び
私はファッションそのものには、ほとんど興味がない。
自分の活動を妨げず、身体を外界から適度に守ってくれる服を好んでいる。
「どうせ何を買っても同じだろう」
そんな根拠のない見切りはしないほうがいい。
服も寝具も、
自分の足で自分の身体を守る最小単位の装備だ。
人任せにせず、
自分で選び、試し、管理し、更新する。
その過程自体を、楽しんでほしいと思う。
