歩合制+日払いの仕事は高給でも避けるべき?|2つの理由

歩合制+日払いの仕事は高給でも回避すべし

高給でも「歩合制+日払い」一本で生計を立てるのは勧めにくい

高給に見えても、完全歩合制+日払いの仕事だけで生計を立てることは、私はあまり勧めません。

理由は大きく二つあります。

一つ目は、収入が安定しないこと

二つ目は、収入の変動が大きく、しかもその日のうちに現金を受け取る生活を続けることで、長期的なお金の管理能力が育ちにくくなる場合があることです。

歩合制そのものが悪いわけでも、日払いそのものが悪いわけでもありません。

問題は、

「今日稼げなければ収入ゼロ」「今日は大きく稼げたから明日も何とかなる」

という生活が常態化することです。

ファイナンスを学んできた『理屈コネ太郎』が、この働き方をなぜ避けた方が無難だと考えるのか、順番に説明します。


理由①|歩合制は収入が大きく変動する

完全歩合制ということは、仕事が取れれば大きく稼げる一方、仕事がなければほとんど収入がないこともあり得ます。

もの凄く稼げてウハウハの日もある。

しかし、まったく稼げず所得ゼロの日もある。

要するに、収入が一定しません。

仕事場まで出かけ、時間を使ったのに、顧客がつかず収入ゼロ。

これは想像以上に精神的な負担になります。

顧客数や指名などによって当日の収入が大きく変わる仕事を経験したことがある人なら、「お客ゼロ」の破壊力は骨身に沁みて分かるのではないでしょうか。

問題は、単に今月の収入額が少ないということだけではありません。

自分が今日どれだけ働いても、収入が読めない。

この不確実性そのものが、心理的な負担になります。


稼げた日にも別の危険がある

一方、歩合制だからこそ、その日に大きく稼げることもあります。

こちらはこちらで厄介です。

人間は、今日たくさん稼げると、

「明日もこれくらい稼げるだろう」

と無意識に期待しやすくなります。

すると気が大きくなり、

「今日使っても、明日また稼げばいいや」

と考えて、今日の収入を大した意味のないものへ使ってしまう。

私は、この

「明日また稼げばいいや」

という発想がかなり危険だと思っています。

翌日も体調がよい保証はありません。

顧客が来る保証もありません。

仕事そのものがある保証もありません。

それなのに、未来の不確実な収入をあてにして、現在のお金を使ってしまう。

これは家計管理の考え方として、かなり不安定です。


「また今度稼げばいい」が習慣になると危ない

翌日になって仕事がなかった。

あるいは、体調を崩して働けなかった。

その時になって、

「昨日の収入の何割かだけでも残しておけばよかった」

と後悔する。

後悔できれば、まだ改善する余地はあります。

もっと危ないのは、

「まあいいや。また今度稼げばいい」

と考えることです。

今日の不足を、未来の収入で取り戻す。

そして未来の収入も不確実。

この構造が繰り返されると、収入を計画的に配分するという発想が根付きにくくなります。


歩合制+日払いは「時間を賭ける仕事」に近い面がある

歩合制+日払いの大きな魅力は、うまくハマれば高額な収入を一日で得られることです。

その魅力は否定しません。

しかし、収入が顧客数など自分では完全にコントロールできない要因で大きく変動する仕事では、

その日に使った自分の時間に対して、どれだけの収入が得られるのかが事前には分からない

という側面があります。

その意味で私は、完全歩合制+日払いを、

出勤日が当たりになるか外れになるかに、自分の時間を賭ける仕事

のように感じます。

もちろん、本当の賭博と同じではありません。

営業能力、技能、顧客との関係などによって結果を改善できる仕事もあります。

しかし、それでも自分の努力だけでは決められない変動要因が大きければ、

「今日は駄目だった。でも明日はきっと」

という心理に引き込まれやすい。

ここが怖いところです。


理由②|お金の基本は「いくら稼ぐか」より「どう配分するか」

お金について考えるうえで、私が重要だと思っているのは、

有限な収入をどう配分するか

です。

つまり、ヤリクリです。

この点については当サイト内の**『稼ぎ力よりヤリクリ能力の方が重要』**でも詳しく書いています。

収入が入ったら、

  • 生活費にいくら使うか
  • 予備資金をいくら残すか
  • 将来の支出にいくら備えるか
  • 投資へいくら回すか
  • 趣味にいくら使うか

を考える。

こうした配分を続けることで、お金の扱い方は少しずつ身についていきます。


収入が毎回大きく変わると、ヤリクリの難易度も上がる

収入が一定なら、家計設計は比較的簡単です。

たとえば毎月30万円の手取りがあるなら、その30万円をどう配分するか考えればよい。

しかし、

  • 今月は50万円
  • 来月は15万円
  • その次は35万円
  • さらに翌月は10万円

という状態なら、話はかなり複雑になります。

もちろん、変動収入を前提として家計を管理する方法はあります。

過去の平均収入をもとに生活費を低めに設定したり、好調な月に多めの現金を残したりすればよい。

しかし、それにはむしろかなり高い自己管理能力が必要です。

したがって、

歩合制だからお金の知識が身につかない

とまで断定するのは正確ではありません。

むしろ、

変動収入を適切に管理するには、固定給以上に高い金銭管理能力が必要になる

と考えた方がよいでしょう。

その能力がまだ十分に育っていない段階で、完全歩合+日払い一本に生活を依存するのは、かなり難易度が高いと思います。


高収入の日を基準に生活レベルを上げない

歩合制で特に避けたいのが、調子のよい日の収入を基準に生活水準を決めることです。

月に何度か大きく稼げる日があると、

「自分はこれくらい稼げる人間だ」

と感じてしまいます。

しかし重要なのは、最高収入ではありません。

生活設計では、

長期間にわたって再現できる収入はいくらなのか

の方が大切です。

一日だけ10万円稼げることより、毎月の生活費を安定して賄えることの方が、生活基盤としては重要です。


完全歩合+日払いを「副業や力試し」として経験するのはあり

だからといって、私は完全歩合制の仕事そのものを否定しているわけではありません。

普段は固定給の仕事を持ち、そのうえで、

自分の営業力や技能がどこまで通用するのかを試す

目的で歩合制の仕事を経験するのは、面白いと思います。

固定収入という土台があるなら、

  • どの程度稼げるのか
  • 自分に向いているのか
  • 収入変動に耐えられるのか
  • 自分が大金を得た時にどう行動するのか

も比較的安全に確認できます。

そして十分な経験を積み、

「この変動を自分なら管理できる」

と判断できてから、その働き方へ比重を移すのであれば話は別です。


まとめ|問題は高給かどうかではなく「安定して管理できるか」

完全歩合制+日払いの仕事は、うまくいけば短期間にかなり高い収入を得られることがあります。

だから魅力的に見えます。

しかし、それ一本で生活するなら、

  1. 収入の変動が大きい
  2. 好調時の収入を将来も続くものだと思いやすい
  3. 「明日また稼げばいい」という発想に陥りやすい
  4. 貯蓄や投資を含む長期的な家計管理が難しくなる

という問題があります。

変動収入をうまく管理できる人なら、完全歩合制でも問題なく生活できるでしょう。

しかし、それには固定給以上の金銭管理能力が必要です。

だから私は、

高給に見えるからという理由だけで、完全歩合+日払い一本の働き方を選ぶのは避けた方が無難

だと考えています。

稼げる金額よりも、

その収入を安定して再現できるか。
そして、稼いだお金をきちんと管理できるか。

長く生活していくうえでは、こちらの方がずっと重要です。


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作成者: 理屈コネ太郎

元消化器内視鏡医・産業医。現在は社会・人間行動・構造分析をテーマに執筆活動を行う。定年退職後はヨット・ボート・クルマなど趣味と構造研究の日々を過ごす。

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