私はボートとヨットを所有・運用しており、海上で写真や動画を撮る機会がよくあります。
船上では、撮影者自身も常に動いています。船は揺れ、水飛沫が飛び、機材をどこかへぶつけたり、落としたりする可能性もあります。それでも、セイリング中の波や光、ボート上から見える一瞬の風景など、その場にいるからこそ撮れる映像があります。
そうした環境へ持ち込むカメラには、撮影できる条件の幅広さと、機材が損耗に至るまでの余裕の大きさを求めます。
私が選んだのがOM-1でした。
小型軽量なマイクロフォーサーズシステム、防塵防滴性能、強力な手振れ補正、多様な交換レンズ。撮影者自身も活動している最中に、その場で見つけた事象を意図的に撮る――私が「アクション撮影」と呼んでいる使い方に、この組み合わせがよく合います。
OM-1に目を向けた最初のきっかけには、銀塩時代のOM-1への記憶もありました。しかし、実際に購入を決めた理由は、私がボートやヨットで行う撮影に必要な条件を高い水準で満たしていたからです。
本記事では、銀塩OM-1との記憶からデジタルOM-1を手に取った経緯と、数あるレンズ交換式デジタルカメラの中から、なぜ船上やアウトドアで使う機材としてOM-1を選んだのかを整理します。
量販店で再び出会った「OM-1」
量販店を歩いていたとき、ふと目に入ったのが「OM-1」という名前でした。
OM-1といえば、1970年代に登場したオリンパスの銀塩一眼レフです。小型軽量な一眼レフとして強い個性を持ったカメラで、私にとっても印象深い名前でした。
その名前を約半世紀後のデジタルカメラが再び名乗っている。
まず、そこに惹かれました。
実際に手に取ってみると、外観や手触りにも好感を持ちました。機能が凝縮されたようなサイズ感も私の好みに合っています。
そして、どういうわけか「匂い」まで良かった。
このあたりは完全に趣味の世界です。
しかし、カメラは持ち出して使う道具です。私の場合、その「持ち出す場所」の中にボートやヨットがあります。
そこで、単に好きなカメラとしてではなく、自分が実際にやりたい撮影に使えるカメラなのかを考えました。
私がいう「アクション撮影」とは
私は、自分の撮影方法の一つを「アクション撮影」と呼んでいます。
私の造語です。
意味は、
撮影者自身が何らかの活動をしている最中に見つけたり感じたりした事象を、能動的かつ意図的に撮影すること
です。
たとえば、ヨットでセイリングしているとき、風下側の乾舷へ波が打ち寄せる。
ボートをアンカリングしているとき、海面へ差し込んだ陽光が突然きれいな形を作る。
クルマでワインディングロードを走っているとき、木漏れ日と周囲の風景が一瞬だけ面白い組み合わせになる。
私は、そうした「その活動をしているからこそ出会った一瞬」を撮りたいのです。
ちなみに「アクション撮影」という概念そのものが、写真撮影が下手であることを糊塗するための壮大な言い訳だという説もあります。
それはナイショです。
アクション撮影では撮影者自身も忙しい
この撮影方法では、撮影だけに集中できるとは限りません。
ヨットなら、セイル、進路、風、波、周囲の船を見ています。
ボートでも、自船の状態や周囲の交通、海況を確認しています。
その最中に、
「あ、これを撮りたい」
と思う。
そこでカメラを取り出して撮影します。
つまり、私にとってカメラ操作は、その活動の中へ割り込んでくる作業です。
機材が大きすぎたり、取り回しに時間がかかったり、撮影準備に多くの手順を必要としたりすると、その間に事象そのものが消えてしまいます。
だから小型軽量であることは、単なる携帯性の問題ではありません。
撮りたいと思った瞬間から実際に撮影するまでの距離を短くする性能でもあります。
船上では機材の損耗リスクを織り込む
ボートやヨットへ撮影機材を持ち込めば、陸上より厳しい扱いになることがあります。
船は揺れます。
海水の飛沫も浴びます。
海水で濡れた手で触ることもあります。
テーブルやシートに置いた機材が、船の動きで滑ったり落ちたりすることもあります。
私は、そうした損耗リスクも含めて船上撮影だと考えています。
もちろん、カメラは長く使える方が嬉しい。
だからこそ、船へ持ち込む機材には高い耐久性を求めます。
耐久性が高ければ、通常使用から損耗に至るまでの余裕が大きくなります。
そして、それでも撮りたい映像があるなら、最終的には機材の損耗も撮影コストとして引き受けます。
私にとって重要なのは、機材を無事に保存することより、その場でしか得られない映像を持ち帰ることです。
だからOM-1には高い耐久性を求めた
この考え方からすると、数あるレンズ交換式デジタルカメラの中で何を選ぶかという問題では、耐久性はかなり重要になります。
私は、撮影条件が厳しくなったところですぐに機材を片付けたくありません。
多少の雨や水飛沫、振動、衝撃が加わる環境でも、そのまま撮影を続けられる余裕が欲しい。
OM-1の防塵防滴を意識した設計や、屋外での使用を強く意識した機材としての性格は、この用途によく合います。
ここで私が求めているのは、機材を粗雑に扱えることではありません。
撮りたい事象に出会ったときに、機材保護を理由として撮影可能領域を狭めずに済む余裕です。
その余裕が大きいほど、私のアクション撮影には使いやすい。
そう考えました。
デジタルだから、機材と画像を分けて考えられる
デジタルカメラには、船上撮影との相性という点でもう一つ私が重視している性質があります。
撮影済みの画像は記録媒体へ保存されます。
仮にその後、カメラ本体が撮影を続けられない状態になっても、記録媒体が生きていてデータが正常に保存されていれば、それまでに撮った画像を回収できる可能性があります。
つまり、機材の生還と撮影成果の生還を分けて考えられます。
私にとってこれは大きな意味があります。
その瞬間にしか撮れない映像の価値が、機材の損耗コストを上回ると判断する場面があるからです。
そのとき私は撮影します。
船上へカメラを持ち込むとは、私にとってそういうことです。
小型軽量はボディだけではなくシステム全体で効く
OM-1を選んだもう一つの大きな理由が、小型軽量です。
ここではボディ単体の大きさだけではなく、レンズまで含めたシステム全体の大きさが重要です。
船へ持ち込める荷物の量には限りがあります。
さらに、撮影中に複数の焦点距離を使いたければ、交換レンズも必要になります。
私は超広角、標準、望遠などを使い分けて撮影します。
その一式を比較的コンパクトにまとめられるマイクロフォーサーズは、私の使い方と相性が良い。
持ち込めるレンズが増えれば、それだけ現場で選べる「事象の切り取り方」も増えます。
小型軽量という特徴は、単純に荷物が軽くなるというだけでなく、撮影可能性を広げる方向にも働きます。
手振れ補正も動いている撮影者にはありがたい
船上では足元そのものが動いています。
クルマやボートの周辺で撮影するときも、撮影者自身が安定した三脚のように静止しているとは限りません。
そこで手振れ補正がよく働いてくれることは、私の撮影では大きな助けになります。
私は現代技術によって履かせてもらえる下駄を、かなり積極的に使います。
手振れ補正も、その代表です。
高性能な機能が撮影者の不足を補ってくれるなら、喜んで補ってもらいます。
その分、自分は何をどう切り取るかという方へ意識を使えます。
交換レンズの選択肢がアクション撮影を広げる
アクション撮影では、その場で何に出会うかを完全には予測できません。
広い海と空を撮りたくなることもあれば、遠方の船や鳥を大きく捉えたくなることもあります。
船上の細かな装備や水滴を近くから撮りたくなることもあります。
そこで交換レンズの選択肢が効いてきます。
超広角、標準、大口径、望遠、超望遠、マクロ。
撮影者が事象をどう切り取るかによって、必要なレンズは変わります。
OM-1を中心としたマイクロフォーサーズシステムなら、そうした用途に合わせてレンズを選べます。
小型軽量なシステムの中で、この選択肢を持てることも私には魅力でした。
銀塩OM-1への思い入れは「入口」だった
ここまで書くと、OM-1を完全に性能だけで選んだように見えるかもしれません。
実際には、名前を見た瞬間に反応したのは銀塩OM-1への記憶があったからです。
かつての私は、写真そのもの以上にカメラの外観や操作感を楽しんでいた時期がありました。
カメラをいじることそのものが楽しかった。
量販店でデジタルOM-1を手に取ったとき、その感覚が少し戻ってきました。
外観。
手触り。
凝集感。
そして、なぜか匂い。
「これ、好きだな」
という感覚が先にありました。
だから、OM-1という名前と佇まいは、私がこのカメラへ関心を持つ入口としてかなり大きかったと思います。
しかし、購入を決めたのは、その先に自分の使い方との一致が見えたからです。
銀塩OM-1から受け継がれた小型軽量という魅力
銀塩時代のOM-1には、小型軽量な一眼レフとして強い個性がありました。
巨大な高性能機を作るのではなく、持ち歩ける大きさの中に必要な性能を凝縮する。
その方向性は、現在のOM-1にもどこか通じるものを感じます。
もちろん、銀塩OM-1とデジタルOM-1は時代も仕組みも大きく違います。
私が両者に感じている共通点は、思想というより、
「高性能な撮影機材を実際に外へ持ち出して使いたくなる」
という感覚です。
カメラは撮影場所へ持って行って初めて仕事をします。
その意味で、小型軽量であることそのものが重要な性能だと思っています。
私がOM-1を選んだ理由
結局、私がOM-1を選んだ理由は、いくつかの条件が一つの機材にまとまっていたからです。
小型軽量で、船上へ持ち込みやすい。
レンズまで含めたシステム全体を比較的コンパクトに組める。
防塵防滴を意識した設計によって、厳しい屋外環境へ撮影領域を広げやすい。
手振れ補正など、撮影者自身が動いている場面を助ける機能がある。
交換レンズによって、広角から望遠まで多様な事象の切り取り方を選べる。
そして、私自身が機械としてOM-1を好きになれる。
どれか一つだけなら、ほかにも選択肢はあります。
私が求めたのは、これらを同時に高い水準で満たすバランスでした。
ボートやヨットで撮影する以上、機材の損耗リスクは撮影そのものに含まれます。
だからこそ、損耗に至るまでの余裕は大きい方が嬉しい。
その余裕を使いながら、動きの中で出会った一瞬を撮る。
私にとってOM-1は、その仕事を任せやすいカメラだったのです。
当サイト内他記事への移動について
OM-1関連の記事は
アクション撮影の相棒OM-1|最強小型ミラーレス一眼の記事一覧
他トピックの記事は
当サイト内記事のトピック一覧ページ 【最上位のページ】
著者紹介は
理屈コネ太郎の知ったか自慢|35歳で医師となり定年後は趣味と学びに邁進
