マイボートを海上係留して分かった想定外|出航頻度と係留中の過ごし方

愛艇Merry Fisher 895 Sportを海上係留

はじめに|海上係留すれば「いつでも出航できる」は本当か?

マイボートを海上係留しても、思い立ったときにいつでも出航できるわけではありません。風や波で出航を見送る日は意外に多く、夜間航行や船内設備にも、船を所有する前には見えていなかった難しさがありました。

私は20代の頃から、気に入った船を信頼できるマリーナに海上係留し、いつでも思い立ったときに出航する生活を夢見ていました。

しかし、実際にその夢をかなえてみると、自然はなかなか人間の思い通りには事を運ばせてくれません。

一方で、出航できない日にも、船内で過ごしたり、電子機器の操作を覚えたり、DIYをしたりする楽しみがあります。

本記事では、マイボートを海上係留して初めて分かった想定外を、出航頻度、身体的負担、夜間航行、船内設備、係留中の過ごし方という観点から、実体験に基づいて紹介します。


想定外①|風と波で「出航できない日」は意外と多い

実際に船を購入し、海上係留して分かったことの一つが、

風や波が強くて出航できない日が、思った以上に多い

という現実でした。

小型船舶は「乗っているだけで重労働」

風や波が大きいと、小型船舶は乗っていることそのものが、とにかく重労働になります。

波や風によってロールしたり、ピッチしたりする船内で体を支え続けるのは、想像以上に体力を消耗します。

その結果、

  • 足首
  • 両手の指

といった部位に大きな負担がかかり、半日ほど連続で船に乗ると、体がパンパンになります。

帰港後は丁寧にストレッチや柔軟体操をしないと、すぐにGRヤリスでヒール&トゥができなくなるほど足首が硬くなります。

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「今日はやめておくか……」となる心理的ハードル

このような身体的負荷があるため、少しでも波風が強めの日は、

よほど明確な目的意識がなければ、
「今日はやめておくか……」

という判断になりやすくなります。

船が出せるかどうかと、自分が実際に出したいと思うかどうかは、必ずしも同じではありません。

出航禁止という現実

さらに、本当に波風が強くなると、

  • マリーナ独自の判断
  • 海上保安庁などからの情報や要請

によって、出航を控えざるを得ない場合があります。

出航を断念するほどの波風では、まともに離接岸すること自体が難しくなります。

離接岸時に船が不安定になれば、自分の船だけでなく、他人の船に傷を付けてしまうリスクも高くなります。

つまり、愛艇を海上係留していても、出航できない日は確実に存在するということです。

ただし、天候次第では「ほぼ毎日出航」できる時期もある

もちろん、いつも出航できないわけではありません。

船を入手した直後の数か月は天候に恵まれ、

  • ほぼ毎日出航
  • 伊豆大島へ1週間で2回も日帰り航行

という時期もありました。

(※詳細はココとココをクリック)

一方で、2024年5月時点では、2023年12月頃から風の強い日が続き、2週間ほど出航できない期間も珍しくなくなりました。

後記として、2025年11月から12月も天候が悪く、出航できたのは一回程度でした。

このあたりは、

  • 季節
  • 気象条件

によって大きく変わります。

したがって、「海上係留しても出航できない日が多い」と一概に決めつけることもできません。


想定外②|出航できない日でも、船内は意外と楽しい

出航できない日は、船に行っても仕方がない。

船を持つ前なら、そう考えていたかもしれません。

しかし、キャビン内を立って歩ける程度の大きさの船であれば、波風の強い日や雨の日でも、それなりに楽しみ方があります。

船内での過ごし方はいろいろある

例えば、

  • 孤独を愉しみながら音楽を聴く
  • オーディオブックで勉強する
  • ネットサーフィンをする
  • 船内を掃除する

といった過ごし方です。

陸上にいるのとは少し違った、閉ざされた自分だけの空間で過ごす時間は、それなりに楽しいものです。

船は陸上の建物とは環境が異なり、埃が塩分と混ざって意外と頑固な汚れになります。

そのため、船内の掃除も立派な作業になりますし、私にとってはそれ自体が一つの楽しみでもあります。


想定外③|電子機器は「係留中」に覚える

レーダーや魚探など、電子機器を触って遊ぶのも面白いものです。

理屈コネ太郎の愛艇に搭載されている電子機器は、ほとんどがGARMIN製です。

しかし、

  • 取扱説明書だけでは分かりにくい
  • アップデートで仕様が変わる
  • 機種ごとに操作体系が微妙に違う

といったこともあり、実際に触ってみないと使い方が身につかない機能が少なくありません。

航行中は、当然ながら操船や周囲の監視が優先です。

だからこそ、

航行中ではなく、
海上係留中にじっくり操作して慣れておく

という時間は、かなり役に立ちます。

……まあ、しばらく使わないと、すぐに忘れてしまうのですが。


想定外④|DIYと他艇観察という愉しみ

船内DIYは想像以上に楽しい

波風が強くて出航できない晴れた日には、船内DIYをすることもあります。

私が最初に作ったのは、船体形状に合わせたスノコでした。

これは今でも役立っています。

(※詳細はココをクリック)

船は自動車以上に、所有者の使い方によって必要な装備や収納方法が変わります。

実際に使いながら、

「ここにこれがあれば便利なのに」

と気づき、自分で手を加えていくのも、マイボートを所有する楽しみの一つです。

他艇のハル形状を見るだけでも楽しい

マリーナには、上架されている他艇を見る楽しみもあります。

陸上に置かれた船なら、水面下に隠れているハル形状を見ることができます。

それを眺めながら、

「設計者は、なぜこの形にしたのか?」

と考えるだけでも、意外と面白いものです。

実際に自分の船を持つようになってからは、以前よりも他艇のハル形状が気になるようになりました。


想定外⑤|夜間航行は「ロマン」ではなかった

もう一つ、船を所有する前には想定できていなかったことがあります。

それは、

私は夜間には、基本的に船に乗らなくなった

ということです。

かつての私は、「夜間航行」という言葉を、少しうっとりした気分で心の中に思い浮かべていました。

今から考えると、なかなかの無知っぷりでした。

夜間航行そのものが一律に禁止されているわけではありません。

しかし、日没直前の海を一度でも経験すると、

日没後の航行には、
万全の準備と、それなりの練習が必要

だと直感的に分かります。

それくらい、夜の海は怖い。

昼間なら容易に見つけられる目標物や漂流物も、暗くなれば一気に把握しにくくなります。

怖いとは思いますが、いつか機会があれば、十分な準備と練習をしたうえで挑戦してみたいとも思っています。


想定外⑥|船内の家電とトイレにも独特の事情がある

さらに、実際に船を使い始めてから想定外だったのが、

  • 船内での家電使用
  • トイレの扱い

でした。

陸上では当たり前に使える家電も、船では電源容量やバッテリー、航行中と係留中の使い分けなどを考える必要があります。

トイレも、自宅のトイレと同じ感覚で扱える設備ではありません。

この二つは、それぞれ独立して説明した方が分かりやすいため、別ページで詳しく書いています。

(※詳細はココとココをクリック)


想定外⑦|マリーナ選びではセキュリティも重要

海上係留そのものとは少し話が変わりますが、実際に船を置くとなれば、マリーナや係留施設のセキュリティも重要です。

セキュリティの甘いマリーナや係留施設では、船内の装備品などが盗難に遭うリスクも考えておく必要があります。

したがって、係留場所を選ぶ際には、

  • 出航のしやすさ
  • 料金
  • 立地
  • 設備

だけでなく、セキュリティも確認しておいた方がよいでしょう。


まとめ|海上係留しても「いつでも出航できる」わけではない

マイボートを海上係留すれば、船を陸上保管する場合よりも、思い立ったときに出航しやすくなります。

しかし、実際に所有してみると、海上係留しているからといって、いつでも自由に出航できるわけではありません。

風や波によって出航を見送る日はありますし、波風が強ければ、船に乗っているだけでもかなり体力を使います。

夜間航行や家電、トイレなど、所有する前にはよく分かっていなかった問題もありました。

一方で、出航できない日にも、

  • 船内で過ごす
  • 電子機器を覚える
  • DIYをする
  • 他艇を観察する

といった楽しみがあります。

私が20代から夢見ていた、

気に入った船を海上係留して、いつでも思い立ったときに出航する

という生活は、想像していたほど単純ではありませんでした。

それでも、出航することだけがマイボートの楽しみではない。

これもまた、実際に船を持ってみて初めて分かった「想定外」の一つでした。

 


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作成者: 理屈コネ太郎

元消化器内視鏡医・産業医。現在は社会・人間行動・構造分析をテーマに執筆活動を行う。定年退職後はヨット・ボート・クルマなど趣味と構造研究の日々を過ごす。

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