フォイルサーフィンの種類と考え方

夕日を背景にフォイルサーファーたちが海面から浮揚して滑走している写真風のイメージ。画面下部中央に「フォイルサーフィンの種類と考え方」というタイトル文字が自然に配置されている。
フォイルサーフィンの種類と考え方

Contents

まずは結論

フォイルサーフィンは、ボードをどう浮揚させるか(=どう揚力を発生させるか≒どうスピードを得るか)によって6つに分類できます。

① 人力 ② パンピング ③ 波 ④ 風 ⑤ 波+風 ⑥ 電動 ⑦ 牽引。

同じフォイルを使っていても、浮揚させる方法が違えば、体験も世界もまったく異なります。
ここでは、その6つの方法をシンプルに整理します。

※本記事では整理のために、「浮く」はボードの浮力で海面に浮いている状態、「浮揚」はスピードによって海面からボードが離れている状態のことを示します。


第1章 7つの浮揚の方法

基本的に、フォイルサーフィンはどのようにスピードを得て浮揚させるかで分かれます。


① 人力で浮揚させる ― SUPフォイル

通常のSUPよりかなりコンパクトなサイズのボードを使用します。
パドルでスピードをつけ、自分の力で浮揚。
フラットな海面に向くフォイルで、再現性が高く練習しやすいタイプです。
体力とバランス感覚が必要なので体幹が鍛えられます。

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② パンピングで浮揚させる ― パンプフォイル(Pump Foil)

パンピングとは、浮揚を維持するために人間が体を上下に動かしてスピードを保つ独特の方法です。
ドックスタートと呼ばれる、桟橋などから助走をつけてボードに飛び乗り、その勢いで浮揚させるスタイルが特徴。
一度浮揚したあとは、パンピングという動作で自らの身体運動によって推進力を生み、スピードを維持します。
風や波を必要とせず、人間の動きだけで浮揚と走行を成立させる、最も純粋な人力フォイルです。

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③ 波で浮揚させる ― プローン(Prone Foil)

既存のサーフィンのように、腹ばいで波に乗り、波の力で走らせて浮揚。
浮揚と同時にポップアップします。


④ 風で浮揚させる ― ウィング/ウインド/カイト/パラウィング

風を掴んで走らせて浮揚するタイプ。
それぞれに個性があります。

ウインドフォイル:既存のウインドサーフィンにフォイルを追加した感じ。
ウィングフォイル:手持ちのウィングを自由に操る。近年最も人気。
カイトフォイル:上空のカイトで強風を活かし、面積の広いカイトを用いればかなりの高速走行が可能。
パラウィング:ウィングとカイトの中間構造。軽風でも浮揚しやすい。


⑤ 波と風の両方で浮揚させる ― ダウンウインド(Downwind Foil)

追い風とうねりを合わせてスピードを作り、長距離を滑走するスタイル。
風と波のリズムを合わせる高度な感覚が求められます。
自然のエネルギーを二重に使う、効率的な浮揚方法です。


⑥ モーターで浮揚させる ― eフォイル

モーターで自走し、風も波も不要。
モーターの力でスピードを出して浮揚します。
モーターにどこまで依存するかで、色々なスタイルが生まれつつあります。
浮揚したらモーターをカットしてパンピングで推進するタイプから、浮揚後の推進もモーターに任せるタイプまで多彩です。


⑦ ボートの牽引で浮揚させる ― ウェイクフォイル

ボートの牽引と引き波を利用して浮揚。
波や風を選ばず、一定速度で安定した練習ができます。
フォイルの操作感をつかむ入門に最適です。


第2章 7つの方法をまとめて比較

Noスピード源名称使用環境特徴
人力+波SUPフォイル海・湖自力で浮揚をつくる感覚
人力(パンピング)ポンプフォイル湖・内湾風や波を使わず身体運動のみで推進
プローン海(波あり)波乗り型フォイルの原点
ウィング/ウインド/カイト/パラウィング海・湖風の使い方で多彩なスタイルに派生
波+風ダウンウインド風波のある海長距離・効率型スタイル
電動eフォイル海・湖・川最も手軽で独立した浮揚環境
牽引ウェイクフォイル海・湖安定した練習向き

表中の使用環境は目安程度に理解して下さい。どんな可能性だってあり得ますから。


終章 フォイルは「浮揚を生み出す発想の集合体」

フォイルサーフィンの違いは、道具の仕組みではなく、どう浮揚させるかの違いです。
7つの方法は、それぞれ異なる遊び方と世界を生み出しています。

浮揚は目的ではなく、走りを軽く、自由にするための過程。
そしてその過程をどう生み出すかという発想こそが、フォイルサーフィンという遊びを進化させてきました。

スピードの得かたは、まだすべてが出尽くしたわけではありません。
風でも波でもモーターでもない、新しい浮揚方法が登場するかもしれません。
新しく浮揚させる仕組みを開発し世界がそれを受け入れれば、フォイルサーフィン史に名前を残し、巨万の富を手にすることもできるかもしれません。
それを思いつくのは——この記事を読んでいるあなたかもしれません。


この記事のまとめ

  • フォイルサーフィンは、浮揚させる方法の違いで7分類できる。

  • 共通しているのは「走らせて浮揚させる」という考え方。

  • 新しい浮揚方法を発想することが、フォイルの未来をつくる。


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