船上・アウトドア撮影にOM-1を選んだ理由 ☆ 小型軽量と防塵防滴を重視

私はボートとヨットを所有・運用しており、海上で写真や動画を撮る機会がよくあります。

船上では、撮影者自身も常に動いています。船は揺れ、水飛沫が飛び、機材をどこかへぶつけたり、落としたりする可能性もあります。

それでも、セイリング中の波や光、ボートの上から見える一瞬の風景など、その場にいるからこそ撮れる映像があります。

私が撮りたいのは、自分自身の活動の中で見つけたり、感じたりした一瞬です。

そうした撮影では、カメラに求める性能も変わってきます。

撮影機会へカメラを持ち込めること。撮りたいと思った瞬間に撮影へ移れること。厳しい環境でも撮影を成立させられること。そして、その成果を持ち帰れること。

これらの条件を高い水準で満たす機材として、私が選んだのがOM SYSTEMのデジタルカメラ、OM-1でした。

その選択の入口には、銀塩時代のOM-1への思い入れもありました。

1.半世紀ぶりに出会ったOM-1

ある日、量販店を歩いていると、ふと「OM-1」という名前が目に入りました。

OM-1といえば、1970年代に登場したオリンパスの銀塩一眼レフです。1972年にM-1として発売され、翌1973年にOM-1へ改称された、小型軽量を特徴とするカメラでした。

その名前を約半世紀後のデジタルカメラが再び名乗っている。

まず、そこに惹かれました。

実際に手に取ってみると、外観や手触りにも好感を持ちました。高性能な機能が小さなボディに凝縮されたような感覚も、私の好みに合っています。

そして、どういうわけか「匂い」まで良かった。

このあたりは完全に趣味の世界です。

かつての私は、写真そのものと同じくらい、カメラという機械の外観や操作感を楽しんでいた時期がありました。

カメラをいじることそのものが楽しかったのです。

デジタルOM-1を手に取ったとき、その感覚が少し戻ってきました。

銀塩OM-1が持っていた魅力の一つは、持ち歩ける大きさの中に必要な性能を凝縮するという方向性でした。

現代のOM-1にも、その方向性に通じるものを感じます。

両者の仕組みは大きく異なりますが、私が共通して感じたのは、高性能な撮影機材を実際に外へ持ち出して使いたくなるという感覚でした。

「これ、好きだな」

という気持ちが先にありました。

そして、自分が実際に行っている撮影との相性を考えるうちに、OM-1を選ぶ合理的な理由が見えてきたのです。

2.私が「アクション撮影」と呼ぶもの

私は、自分の撮影方法の一つを「アクション撮影」と呼んでいます。

この言葉は、私自身の撮影方法を表現するために使っています。

その意味は、

撮影者自身が何らかの活動をしている最中に見つけたり感じたりした事象を、能動的かつ意図的に撮影すること

です。

例えば、ヨットでセイリングしているとき、風下側の乾舷へ波が打ち寄せる。

ボートをアンカリングしているとき、海面へ差し込んだ陽光が突然きれいな模様を描く。

クルマでワインディングロードを走っているとき、木漏れ日と周囲の風景が一瞬だけ面白い組み合わせになる。

私は、そうした活動の中で出会った一瞬を撮りたいのです。

ところが、この撮影方法には一つの構造的な問題があります。

撮影機会を生み出す活動そのものが、同時に撮影を制約することです。

ヨットでセイリングしているからこそ、美しい波や光に出会います。

その一方で、私はセイル、進路、風、波、周囲の船にも注意を向けています。

ボートでも、自船の状態や周囲の交通、海況を確認しています。

その最中に、

「あ、これを撮りたい」

と思うわけです。

しかし、カメラ操作は、その活動の中へ割り込んでくる作業です。

撮影に割ける時間も注意力も限られています。操船者であれば、航行の安全を確保できる状況かどうかも判断しなければなりません。

クルマの場合も、運転中に発見した風景を実際に撮影するには、安全に停車できる場所と機会が必要です。

撮影したい事象が、その間に消えてしまうこともあります。

つまり、活動は撮影機会を生み出すと同時に、その機会を利用する自由を制約します。

そこで重要になるのが、限られた撮影機会を、どれだけ実際の写真や動画へ変えられるかということです。

私にとってカメラの性能とは、その制約の中で撮影機会を撮影成果へ変える能力でもあります。

ちなみに、このアクション撮影という考え方そのものが、写真撮影が下手であることを糊塗するための壮大な言い訳だという説もあります。

それはナイショです。

3.小型軽量は撮影機会を生かす性能

OM-1を選んだ大きな理由の一つが、小型軽量なマイクロフォーサーズシステムです。

ここで重要なのは、ボディ単体の大きさに加えて、レンズまで含めたシステム全体の大きさです。

船へ持ち込める荷物の量には限りがあります。

さらに、撮影者自身が活動している場合、カメラを取り出し、構え、撮影するまでの動作にも制約があります。

機材が大きすぎたり、取り回しに時間がかかったり、撮影準備に多くの手順を必要としたりすると、その間に撮りたい事象が消えてしまいます。

だからこそ、私は撮影機材の小型軽量を重視します。

小型軽量で取り回しの良い機材は、撮りたいと思った瞬間から実際に撮影するまでの距離を短くしてくれます。

これは、撮影機会を生かすための重要な性能です。

もう一つ、小型軽量なシステムには、持ち込める撮影機材の選択肢を増やすという利点があります。

私は超広角、標準、望遠などのレンズを使い分けています。

使用するレンズによっては、同じ画角や焦点距離域をカバーする大きな撮像素子のシステムより、マイクロフォーサーズの方が全体をコンパクトにまとめられます。

そのため、限られた荷物の中に複数の撮影手段を収めやすくなります。

出航前に、その日の撮影目的に合わせてレンズを選ぶこともできます。

また、撮影中に必要となる焦点距離の範囲をあらかじめ考えておけば、船上でのレンズ交換に要する時間や手間を減らせます。

カメラは、撮影場所へ持って行って初めて仕事をします。

小型軽量という特徴は、カメラを現場へ持ち込むことから、実際に撮影を成立させるところまで、一貫して役立つ性能なのです。

4.動きの中で撮影を成立させる性能

船上では、撮影者の足元そのものが動いています。

ヨットは風と波を受けて傾き、ボートも海面の状態によって絶えず揺れています。

カメラを構えている自分自身が動いているため、手振れ補正は大きな助けになります。

OM-1には5軸ボディ内手振れ補正が搭載されています。

メーカー公称値では、静止画撮影時の補正効果はボディ単体で最大7.0段、対応レンズとの5軸シンクロ手振れ補正では最大8.0段です。

これらは所定の試験条件で得られた性能ですが、撮影者やカメラ自身の動きによる像のぶれを抑える機能として、私の使い方によく合っています。

船体の大きな揺れには身体やカメラの保持方法も関係し、波や鳥など被写体自身の動きを止めるにはシャッター速度の選択も重要になります。

そうした条件の中で、手振れ補正は撮影を成立させるための助けになります。

私は現代技術によって履かせてもらえる下駄を、かなり積極的に使います。

高性能な機能が撮影者の不足を補ってくれるなら、喜んで補ってもらいます。

その分、自分は何をどう切り取るかという判断へ意識を使えるからです。

そして、もう一つ重要なのが交換レンズの選択肢です。

アクション撮影では、その場で何に出会うかを完全には予測できません。

広い海と空を一つの画面へ収めたいこともあれば、遠方の船や鳥を大きく捉えたいこともあります。

船上の細かな装備や水滴を近くから撮りたくなることもあります。

超広角、標準、大口径、望遠、超望遠、マクロ。

撮影者が事象をどう切り取るかによって、必要なレンズは変わります。

OM-1を中心とするマイクロフォーサーズシステムには、こうした撮影目的に対応するレンズが揃っています。

多様なレンズの中から、その日の活動や撮影目的に合ったものを選べること。

そして、手振れ補正などの機能によって、実際の撮影を成立させやすくなること。

こうした性能が、活動の中で出会った事象を映像として残せる範囲を広げてくれます。

5.船上で撮影を続けられる余裕

船上へ撮影機材を持ち込めば、陸上より厳しい扱いになることがあります。

船は揺れます。

海水の飛沫を浴びることもあります。

海水で濡れた手で機材に触れる場合もあります。

テーブルやシートに置いた機材が、船の動きで滑ったり落ちたりする可能性もあります。

振動や衝撃、ほかの装備との接触も考えられます。

私は、こうした損耗リスクも含めて船上撮影だと考えています。

カメラは長く使える方が嬉しいものです。だからこそ、船へ持ち込む機材には高い耐候性と堅牢性を求めます。

私は、撮影条件が厳しくなったところですぐに機材を片付けたくありません。

撮りたい事象が現れたとき、可能な限り撮影を続けられる余裕が欲しいのです。

OM-1は、軽量で堅牢なマグネシウム合金ボディと、各部に施されたシーリングによる防塵防滴構造を備えています。

対応するIP53規格のレンズと組み合わせた場合、システムとしてIP53の防塵防滴性能を発揮します。IPX1規格の防滴レンズと組み合わせた場合は、IPX1相当となります。

メーカー公称の耐低温性能は−10℃です。

こうした設計は、雨や水飛沫にさらされる可能性のある屋外環境で、撮影を継続するための余裕を与えてくれます。

一方、船上特有の塩分による腐食、落下や衝突による破損、水没などは、それぞれ個別に対策を考える必要があります。

ストラップによる落下防止、機材の置き場所、海水が付着した場合の適切な手入れも、船上で機材を使い続けるための条件です。

耐候性の高い機材を選び、適切に扱うことで、通常使用から損耗に至るまでの余裕をできるだけ大きくしたいと考えています。

機材が使用に耐えられる条件の幅が広いほど、撮影者が選択できる撮影条件の幅も広がります。

その余裕があれば、撮りたい事象に出会ったとき、機材の保護と撮影の継続について判断する自由も大きくなります。

私がOM-1の防塵防滴性能を重視したのは、このためです。

6.機材の損耗と撮影成果の価値

私は、船上撮影では機材の損耗リスクを撮影コストの一部として考えています。

海へ機材を持ち込んで使う以上、故障や損傷が生じる可能性があります。

そのリスクを考慮したうえで、撮影するかどうかを判断します。

ここで私が重視しているのは、機材の生還と撮影成果の生還を分けて考えられることです。

デジタルカメラでは、撮影済みの写真や動画が記録媒体へ保存されます。

仮にその後カメラ本体が撮影を続けられない状態になっても、記録媒体が無事で、データが正常に保存されていれば、それまでの撮影成果を回収できる可能性があります。

OM-1には二つのSDカードスロットがあり、静止画を二枚のカードへ同時に記録する機能も備えています。

これを利用すれば、一方のカードに障害が発生した場合に備えることもできます。

また、撮影済みのデータを別の媒体へ複製すれば、さらに保全の可能性を高められます。

機材全体の紛失や浸水などによって、記録媒体も失われる可能性はあります。

そのため、機材を守ることと撮影成果を守ることについて、それぞれ対策を考えます。

こうして両者を分けて考えると、機材の損耗リスクと、撮影によって得られる価値を比較できるようになります。

その瞬間にしか撮れない映像には、機材の損耗コストを上回る価値があると判断する場面もあります。

航行の安全を確保できる状況であれば、私はその判断に従って撮影します。

機材は、可能な限り大切に使います。

そして、撮りたい映像があるなら、最終的には機材の損耗も撮影コストとして引き受けます。

私にとって重要なのは、その場でしか得られない映像を持ち帰ることです。

船上へカメラを持ち込むとは、私にとってそういうことなのです。

7.私がOM-1を選んだ理由

私がOM-1を選んだ理由は、自分の撮影に必要な複数の条件を、一つのシステムとして高い水準で満たしていたからです。

小型軽量で、ボートやヨットへ持ち込みやすい。

撮影したいと思った瞬間に取り回しやすく、限られた時間の中でも撮影へ移りやすい。

防塵防滴性能によって、厳しい屋外環境でも撮影を続けられる条件の幅が広い。

手振れ補正が、動いている撮影者を助けてくれる。

多様な交換レンズによって、広い風景から遠方の被写体、身近な細部まで、さまざまな切り取り方を選べる。

そして、機械としてのOM-1そのものを、私は気に入っています。

個々の性能には、それぞれ優れたカメラがあります。

私が求めたのは、これらの条件を同時に満たすバランスでした。

その理由を考えていくと、結局は自分がどのような写真や動画を撮りたいのかという問題へ戻ってきます。

私が海へ出ると、そこでしか出会えない風景があります。

そして、海へ出るという活動そのものが、撮影に使える時間と注意力を制約します。

その制約の中で、発見した一瞬を映像として残せるかどうか。

そこに、私が撮影機材へ求める性能の意味があります。

カメラの価値は、その機材が持つ性能によって、自分が撮影できる世界をどこまで広げられるかにも表れます。

OM-1は、私が海で過ごす時間の中に、写真や動画を撮るという楽しみを組み込んでくれるカメラです。

そして、その姿も手触りも、私は好きなのです。

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著者紹介は
理屈コネ太郎の知ったか自慢|35歳で医師となり定年後は趣味と学びに邁進

作成者: 理屈コネ太郎

元消化器内視鏡医・産業医。現在は社会・人間行動・構造分析をテーマに執筆活動を行う。定年退職後はヨット・ボート・クルマなど趣味と構造研究の日々を過ごす。

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