職場が苦しい時どうする?|メタ認知・休職・環境変更を考える

白い背景に黒い線で職場のデスクで思い悩む男性が描かれている
職場で苦しいとき

職場が苦しい時、まず知っておきたいこと

どんな人にも、仕事が苦痛になる時期はあります。

これまで仕事が辛いと思ったことがない人もいるでしょう。しかし、それはキャリアがまだ浅いか、たまたま自分に合った環境が続いているだけかもしれません。

仕事への適性が高く、能力にも恵まれている人であっても、

  • 仕事そのものの意味
  • 業務内容との相性
  • 取引先との関係
  • 同僚や上司との人間関係
  • 自分がこの職場にいる意味

に疑問を抱くことはあります。

「私はなぜ、こんな人たちを相手にしなくてはならないのだろう」

そんなことを考え、

「ここではないどこかに、もっと自分に合う職場があるのではないか」

と溜息をつくこともあるでしょう。

職場が本当に苦しい時に大切なのは、ただ我慢し続けることではありません。

いったん自分の状態を少し離れたところから眺め、何が辛いのかを整理し、必要であれば仕事から距離を置き、そのうえで今の職場に戻るのか、環境そのものを変えるのかを考えることだと思います。


苦しさの原因は「仕事への適性」だけでは説明できない

仕事が辛いと、

「自分はこの仕事に向いていないのではないか」

と考えがちです。

しかし、必ずしもそうとは限りません。

その職業に高い適性があったとしても、職場そのものとの相性が悪ければ苦しくなります。

同じ仕事でも、

  • 上司が違う
  • 同僚が違う
  • 組織文化が違う
  • 担当業務が違う
  • 評価方法が違う

だけで、働きやすさは大きく変わります。

したがって、

仕事が辛い=その職業に向いていない

と直ちに結論づける必要はありません。

職業そのものが合わないのか。

今の職場が合わないのか。

特定の業務が合わないのか。

特定の人間関係が苦しいのか。

まずは、そこを分けて考える必要があります。


社会に自分の居場所がないと感じる時は、本当に辛い

人間は、多くの場合、何らかの社会に属して生活しています。

その中でも仕事は、一日のかなりの時間を占めます。

だから職場でうまくいかなくなると、

「自分はこの職場に居場所がない」

という感覚だけでは済まず、

「社会のどこにも自分の居場所がないのではないか」

とまで感じてしまうことがあります。

そんな時は、本当に辛い。

怒りに似た感情や、それを呼び起こす記憶が次から次へと押し寄せてくることもあるでしょう。

反対に、世界全体が灰色に見え、自分自身の存在すら実感しにくくなることもあります。

そこまで追い詰められている時に、

「仕事なんだから我慢しろ」

という言葉だけで解決するほど、人間は単純ではありません。


苦しい時期にどう対処するかは、その後の人生に影響する

仕事が嫌になること自体は、特別なことではありません。

問題は、その時期をどう過ごすかです。

感情のままに辞めてしまう。

ひたすら我慢する。

自分だけが悪いと思い込む。

周囲だけが悪いと決めつける。

どれも、状況によっては判断を誤る可能性があります。

職場が本当に苦しい時こそ、少しでも冷静に、

何が起きているのか

を考える時間が必要です。

その一つの方法が、メタ認知です。


対処法①|メタ認知で自分の状態を少し離れて見る

メタ認知とは、自分の思考や感情を、その中に完全に巻き込まれた状態ではなく、少し離れたところから観察する視点です。

たとえば、

「私は今、上司に腹を立てている」

だけではなく、

「私は上司のこの言動を、なぜこれほど強く不快に感じているのだろう」

と考えてみる。

あるいは、

「仕事に行きたくない」

という感情に対して、

「仕事内容が嫌なのか、人間関係が嫌なのか、それとも疲れ切っているのか」

と分解して考えてみる。

これだけでも、頭の中で一つの巨大な「苦しさ」になっていたものが、いくつかの問題に分かれて見えてくることがあります。

メタ認知については、別の記事で詳しく書いています。

その心の苦痛、和らげる事が出来るかも。メタ認知という強力な視点


対処法②|本当に辛いなら、仕事から一度離れる

考える余裕すらなくなるほど仕事が辛い時には、一定期間、仕事から離れることも選択肢になります。

仕事そのものが苦痛の主な原因なら、まずその原因から距離を取らなければ、冷静に考えること自体が難しくなる場合があります。

これは、

「辛いから逃げる」

という話ではありません。

むしろ、

判断できる状態を取り戻すために、いったん距離を置く

という考え方です。

有給休暇を使うこともあれば、状況によっては休職を検討することもあるでしょう。

もちろん、休職制度の有無や条件は勤務先によって異なります。

しかし、本当に追い詰められている時に、

「休むという選択肢そのものを考えてはいけない」

と思い込む必要はないでしょう。


休職中に考えることは、それほど多くない

もし一定期間仕事から離れることができたなら、その間に考えるべきことは、私は大きく三つだと思います。

1.同じ職場に戻るなら、何を変えるか

今までとまったく同じ働き方をして、同じ人間関係の中に戻れば、同じ問題が再発する可能性があります。

そこで、

  • どの仕事を減らしたいのか
  • 誰に相談すべきなのか
  • 何を断るべきなのか
  • どこまで責任を背負うのか
  • 自分の行動をどう変えるのか

を考えます。

「復職する」というだけではなく、復職後に何を変えるのかまで考えた方がよいでしょう。

2.なぜそこまで辛かったのかを言葉にする

職場で何が辛かったのか。

これを言語化できることは重要です。

「全部嫌だった」では、対策が取りにくい。

しかし、

「仕事量ではなく、上司から頻繁に仕事を中断されることが辛かった」

「仕事内容ではなく、責任範囲が曖昧なことが苦しかった」

「同僚との関係ではなく、評価方法に納得できなかった」

というところまで整理できれば、対策を考えやすくなります。

原因が具体的になれば、上司や会社に相談することで改善できる場合もあります。

3.別の生活手段を考える

もう一つは、

この職場に戻らない場合、どう生活するか

です。

転職する。

働き方を変える。

勤務時間を減らす。

職種を変える。

場合によっては、しばらく働かない。

選択肢はいろいろあります。

もちろん、生活費や家族の事情もありますから、簡単に決められる話ではありません。

それでも、

「この職場に戻る以外に道はない」

と思い込んでいる状態と、

「ほかの道もある」

と知っている状態では、心理的な余裕がかなり違います。


気質と職場のミスマッチは、あって当然

人には、それぞれ気質や性格があります。

細かく決められた仕事が得意な人もいれば、裁量が大きい方が働きやすい人もいます。

大勢の人と関わる仕事が好きな人もいれば、一人で集中できる仕事の方が向いている人もいます。

競争が刺激になる人もいれば、それが強いストレスになる人もいます。

そして、本人がどれほど努力しても、職場文化との相性までは完全には変えられません。

だから、

自分の気質と職場が合わないことは、普通にあり得る

と考えた方がよいと思います。

しかも、職場とかなり相性がよかったとしても、仕事が辛くなる時期はあります。

働くという行為そのものに、一定の負荷があるからです。


「自分を変える」だけでなく「環境を変える」ことも考える

職場で苦しい時、

「もっと自分が成長すれば解決する」

と考えることには意味があります。

自分の未熟さを修正する努力は必要です。

しかし、すべてを自分の努力だけで解決しようとする必要もありません。

人と環境には相性があります。

環境を変えた方が、自分も働きやすくなり、雇う側にとっても力を発揮してもらいやすくなる場合があります。

その意味では、

自分により合う職場を探すことは、単なる逃避ではなく、双方にとって合理的な選択

になり得ます。


まとめ|耐え難い苦しみを無理に我慢し続ける必要はない

人間は、多くの場合、生活するために働かなければなりません。

だから、仕事が多少辛いからといって、すぐに辞めればよいとも思いません。

仕事にはある程度の我慢や適応も必要です。

しかし、

耐え難いほどの苦しみを、無理に我慢し続ける必要もありません。

職場が苦しい時には、

  • 自分の状態を少し離れて見る
  • 何が辛いのかを言葉にする
  • 必要なら仕事から一度距離を置く
  • 同じ職場で何を変えられるか考える
  • 別の働き方や生活手段も検討する

という順番で考えてみてもよいでしょう。

自分自身も少しずつ変わる。

同時に、自分に合う環境も探す。

その方が、本人にとっても、周囲にとっても、長い目で見ればよい結果になるのではないかと思います。

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作成者: 理屈コネ太郎

元消化器内視鏡医・産業医。現在は社会・人間行動・構造分析をテーマに執筆活動を行う。定年退職後はヨット・ボート・クルマなど趣味と構造研究の日々を過ごす。

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