Seakeeper Ride ☆ 2カ月使って分かったメリットと気になる点

装着直後のSeakeeper Ride

私の愛艇Jeanneau Merry Fisher 895 SportにSeakeeper Rideを装着して2カ月、航行時間は約22時間に達した。使用感もかなり明確になってきたので、この時点で感じているメリットと気になる点をまとめておきたい。

その後も使用を続けており、導入後16カ月時点での印象は装着から16カ月|“効いていることを忘れる”静かな技術にまとめている。

本記事は、筆者・理屈コネ太郎が実際にSeakeeper Rideを装着した艇を2カ月間使用して得た体験と、その体験から考えたことをまとめたものである。機器の挙動についての原因説明には、筆者自身の推測も含まれている。


Seakeeper Rideの効果とメリット

2カ月使って最も強く感じているのは、船体の安定性が大きく向上したことだ。

  • ピッチとロールが減少し、船が海面に吸い付くように安定する
  • 波を越える際の衝撃が和らぎ、乗り心地が向上する
  • 快適に維持できる巡航速度が上がる
  • 目的地までの到達時間が短くなる
  • 操船そのものが楽しくなる

特に印象的なのは、船体が海面を叩いた際の衝撃が明らかに柔らかくなったことだ。

同じような海況でも以前より速度を維持しやすくなり、長時間航行した際の乗船者の疲労も軽くなったと感じている。

単に揺れが減ったというだけでなく、「この海況ならこのくらいの速度まで出せる」という自分の感覚そのものが変わった。


気になる点

効果の大きさを実感する一方で、2カ月使った時点で気になっていることもある。

1.最高速度が若干低下した

装着前には、フルスロットル5,600rpmで38ノットに達していた。

装着後は、36.8ノット前後となっている。

私は、Seakeeper Rideの可動ブレードが水流に作用して船体姿勢を整える以上、その作用に伴う抵抗が最高速度低下の一因ではないかと考えている。

スポーツカーに空力デバイスを装着すると、車体の安定性を得る代わりに最高速側で影響が出ることがある。それに近いトレードオフなのではないか、というのが現時点での私の推測だ。

一方で、最高速度はエンジントリム、Rideの設定、海況、船底の状態、搭載重量などでも変化する。

今後さらに条件を変えながら試してみたい。


2.オートパイロット使用時にわずかなフラつきを感じる

Seakeeper RideをONにした状態でオートパイロットを使用すると、直進中の針路にごくわずかなフラつきを感じることがある。

Rideは船体姿勢を制御し、オートパイロットは舵を使って針路を制御する。

私は、この二つの制御が同時に船の挙動へ介入することで、互いの修正動作が影響し合っているのではないかと考えている。

程度はごく小さく、通常航行への影響は軽微である。


燃費への影響は?

燃費については、この2カ月間で比較できるだけのデータを取っていない。

ただ、実際に使っている感覚から考えると、少なくとも時間当たりの燃料消費量は増えている可能性がある。

理由は単純で、Seakeeper Rideによって快適に走れる速度が上がり、私自身が以前より高い速度で巡航するようになったからだ。

私の場合、巡航速度が上がったことで、巡航時のエンジン回転数も以前より高くなっている。

一方、船で目的地まで移動する際に重要なのは時間当たりの燃料消費だけではない。

巡航速度が上がれば、同じ距離を移動するために必要な時間は短くなる。

したがって、

1時間に使う燃料は増えていても、目的地までに使う燃料まで同じ割合で増えているとは限らない。

さらに、Rideによって船体姿勢が変わることも航走抵抗に影響するはずだ。

燃費について判断するには、今後、速度・エンジン回転数・航行距離・燃料消費量を同じ条件で比較する必要がある。


出航頻度が上がった

これは装着前には予想していなかった変化だった。

船に乗る回数そのものが増えた。

船体が安定し、波の衝撃が減り、以前より気持ちよく速度を出せる。

結果として操船が楽しくなり、「今日は船を出そう」と思う機会が増えた。

機械としての性能向上だけを見るなら数字には表れにくい部分だが、オーナーとしてはかなり大きなメリットだと感じている。


海上係留でフジツボはどれくらい付くのか

愛艇は海上係留しているため、Seakeeper Rideの水中部分も係留中は海水に浸かっている。

しかも、この2カ月は猛暑だった。

どの程度フジツボなどが付着しているのかにも興味がある。

今後、実際の状態を確認し、その結果も記録したい。


結論|2カ月使った時点ではメリットが圧倒的に大きい

2カ月使用した時点で最も強く感じているのは、船体が安定することで、船そのものの楽しみ方まで変わったことだ。

最高速度の低下やオートパイロット使用時の小さなフラつきを感じる一方、Seakeeper Rideを装着したことで、私は以前より船を快適に、そして頻繁に使うようになった。

「もっと早く装着していればよかった」

2カ月使った現在の感想を一言で表すなら、これに尽きる。

今後も使い続け、時間が経つことで見えてくる変化を記録していきたい。

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作成者: 理屈コネ太郎

元消化器内視鏡医・産業医。現在は社会・人間行動・構造分析をテーマに執筆活動を行う。定年退職後はヨット・ボート・クルマなど趣味と構造研究の日々を過ごす。

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