初めてボートにゲストを招待する時・初めてボートへ招待された時の注意点

オーナーキャプテンが自分のプレジャーボートにゲストを招く時、あるいはプレジャーボート未経験者がゲストとして招待された時には、陸上レジャーとは異なる独特の配慮や責任構造がある事を第一に銘記しましょう。

個人所有艇では、オーナーキャプテンが、

  • 操船
  • 安全管理
  • 海面監視
  • ゲスト対応
  • 帰港後の後始末

まで、一人で引き受けている事も珍しくありません。

一方、法人艇や接待艇では、

  • プロのキャプテン
  • プロのクルー
  • プロの接客スタッフ

などが配置され、役割構造そのものが異なります。

この記事では、

  • 個人艇へゲストを招待する時の注意点
  • 個人艇へゲストとして招待された時の注意点
  • 法人艇・接待艇での考え方の違い

について整理したいと思います。


Contents

個人ボートでゲストを招待するのは実はかなり大変

陸上のホームパーティーなら、

  • 食事を準備する
  • 会話を盛り上げる
  • 後片付けをする

程度で済みます。

しかしボートでは、それに加えて、

「安全運航」

が発生します。

プレジャーボートを安全に運航する事は、クルマを道路で運行する事の数倍のストレスがかかるものです。

海では、

  • 潮流
  • 浅瀬
  • 漁具
  • 他船
  • 落水
  • 天候悪化

など、多数の危険要素が常に変化しています。

しかもゲスト全員がプレジャーボート未経験者なら、危険を理解しているのはキャプテンだけになります。

そのためキャプテンは、

  • 操船
  • 海面ウォッチ
  • 離着岸
  • ゲスト安全管理
  • 子供の監視・落水防止
  • 飲酒状態確認
  • 体調不良対応

などを同時並行で処理する事になります。

さらに、

「ゲストを楽しませる」

という役割まで追加される。

これは実際にはかなり負荷が高い。

特にソロ運用のオーナー艇では、

「安全責任を一人で背負いながら接客まで行う」

構造になります。


帰港後も、キャプテンのタスクは続く

ボート遊びは、帰港して解散したら終わりではありません。

けっこうなタスク量の後始末が始まります。

例えば船外機艇なら、

  • エンジンフラッシング
  • 船体洗浄
  • 機器の塩抜き
  • キャビン整理
  • ゴミ処理
  • ロープ整理
  • 給油
  • 点検

など、多数の作業があります。

海水は機材を強烈に傷めるため、後始末を怠ると機器の寿命そのものが縮みます。

つまり、

ゲストが

「今日は楽しかったです!」

と帰宅した後も、キャプテンはマリーナに残って作業を続けている事が普通なのです。


法人艇や接待用途では「役割分担」が合理的

法人所有艇や接待用途のボートでは、この問題への対策が行われています。

それが、

「役割分担」

です。

例えば、

  • プロのキャプテン
  • プロのクルー
  • プロの接客スタッフ

などを配置する。

これは単なる贅沢ではありません。

むしろ、

「安全運航」

「接待」

を両立するための合理化です。


個人ボートにゲストとして招待された時に知っておきたい事

個人ボートへ招待された場合、多くの人は、

「クルマでドライブへ連れて行ってもらう」

感覚で考えます。

しかし海では陸上と様々な場面で責任構造が違います。

キャプテンは、

  • 航海責任
  • 衝突回避責任
  • 救命責任
  • 機関管理責任
  • ゲスト安全責任

まで負っています。

しかも帰港後には、

  • 洗艇
  • 清掃
  • 点検
  • 塩抜き

なども、自分でこなしています。

だからこそ、

「船に乗せてくれてありがとうございました」

という感謝は、

単に遊びへ招待してくれた事だけではなく、

  • 事前準備
  • 航海中の責任遂行
  • 帰港後の後始末

まで含めて理解した上で表現すると、オーナー側には非常に伝わります。

私の意見ですが、燃料代をすこし負担するという配慮は不要です。燃料代を気にするオーナーキャプテンはゲストを自艇に招きません。ホストとしてゲストを遇するために招いたのです。

しかし、ホストがゲストをもてなすために遂行したタスクが目に見えない部分も含めて膨大である事を理解して感謝の気持ちをを持つ事は、社会人として大事なスキルだと理屈コネ太郎は考えています。


小型船舶操縦士免許を取得するのも非常に良い

個人ボートへゲストとして招待される機会が増えた場合、小型船舶操縦士免許を取得するのも非常に良い事です。

もちろん、免許を取得したから即座に熟練クルーになれる訳ではありません。

しかし、

  • 海の危険
  • 関連する法規
  • 衝突予防
  • 見張り
  • 安全配慮
  • 操船構造

などを理解している人がゲスト側に一人いるだけで、オーナーキャプテンのタスクはかなり軽減されます。

例えば、

自分と家族がゲストとして招待された場合、

「自分の家族の海上の安全については、自分も免許保持者として責任を果たす」

という感覚を持てる人は、オーナーキャプテンから非常に信頼されやすい。

これは単なる操船技術の話ではありません。

海における責任構造を理解している人間、そして家族を守る責任感を持つ一人の大人として評価されるからです。タスクを分担する事でボートの愉しみを拡大する仲間として認識されるでしょう。

結果として、

  • 安心して招待しやすい
  • 海面ウォッチを任せられる
  • ロープ作業を依頼できる
  • 離着岸時に補助を頼める

など、オーナー側の負荷が大きく減ります。

そして実際には、こうしたゲストほど、より頻繁にボートへ招待される傾向があります。


ゲスト側にも「海のマナー」は存在する

もちろん、過度に気を遣いすぎる必要はありません。

しかし、

「乗せてもらってるだけ」

という感覚は、海では危険です。

例えば、

  • 離着岸中は静かにする
  • 指示があれば従う
  • 勝手に移動しない
  • 海面ウォッチを手伝う
  • 子供を放置しない
  • 飲酒を節度ある範囲にする

だけでも、キャプテン負荷はかなり減ります。


法人艇・接待艇では、個人艇とは考え方が変わる

一方、法人所有艇や接待用途のボートでは、個人艇とは前提が異なります。

特に、

  • プロのキャプテン
  • プロのクルー
  • プロの接客スタッフ

などが配置されている場合、

個人艇のように、

「オーナーキャプテン一人へ強い恐縮や配慮を示す」

必要はありません。

その船は、

「ゲストをもてなすための運営体制」

が最初から構築されているからです。

つまり、

  • 洗艇まで想像して恐縮する
  • 燃料代を過度に気にする
  • 操船責任まで背負わせて申し訳なく感じる

といった、個人艇特有の感謝構造は不要です。

むしろ自然に楽しむ事が重要になります。


ただし、現場スタッフへの配慮は非常に重要

もっとも、

  • プロのキャプテン
  • プロのクルー
  • プロの接客スタッフ

など、実際にオペレーションを行ってくれた人への感謝は別です。

海の現場では、

「感じの良いゲストだったか」

は、スタッフ間で意外なほど共有されています。

また実際には、

「ゲストがスタッフへどう接するか」

を見ているホストも少なくありません。

そのため、

  • 一言お礼を言う
  • 指示へ素直に従う
  • クルーへ横柄な態度を取らない

といった自然な配慮ができるゲストは、結果としてホスト側からの評価も上がりやすいのです。


海の遊びは「責任構造」を理解すると、もっと気持ち良くなる

プレジャーボートは、とても自由な世界です。

しかしその自由は、

  • 技術
  • 判断
  • 安全管理
  • 維持管理
  • 責任

を、誰かが引き受ける事で成立しています。

特に個人艇では、その大半をオーナーキャプテン一人が背負っています。

だからこそ、

  • 呼ぶ側は無理をしすぎない
  • 呼ばれる側は責任構造を理解する
  • 法人艇では立場の違いを理解する

この三つが揃うと、海の遊びは非常に気持ちの良いものになります。


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作成者: 理屈コネ太郎

元消化器内視鏡医・産業医。現在は社会・人間行動・構造分析をテーマに執筆活動を行う。定年退職後はヨット・ボート・クルマなど趣味と構造研究の日々を過ごす。

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