GRヤリス6MTと8S-DATの実走タイム差 ☆ 小さな差が示す私の到達点

白いトヨタGRヤリス2台がサーキットを並走する様子を、やや後方から捉えた油絵調のイラスト
わずかな差で並走するGRヤリス6MTとAT。この距離感こそが、今回の記事のテーマである。

GRヤリス壱号機(2020年式6MT)と弐号機(2024年式GR-DAT)を、同じドライバー、わたし理屈コネ太郎、が同じホームコースで走らせた。

壱号機のタイムは1分53秒113。

弐号機は1分52秒318。

差は0.795秒だった。

私が興味を持ったのは、この差の小ささである。

二台は変速機だけでなく、世代も仕様も異なる。それでも、同じ私が走らせた実走タイムは**約0.71%**の範囲に収まった。

そこに、今の自分のドライビング技術がどこまで成立しているのかを見ることができるように思った。

本記事では、この二つの実走記録を比べながら、0.795秒という差を私がどう受け取ったのかを整理する。


壱号機6MTは1分53秒113

GRヤリス壱号機でホームのローカルサーキットを走行し、1分53秒113を記録した。

壱号機は足回りに若干の変更を施しているが、動力系、ブレーキ、タイヤはノーマルである。

詳細は別記事
GRヤリスRZHP 初回車検完了|構造変更&カスタム仕様で無事通過
を参照されたい。

別の日には、2024年式の弐号機GR-DATでも同じコースを走り、1分52秒318を記録している。

弐号機は速度リミッター解除以外は完全ノーマル。

壱号機も同様に速度リミッターを解除している。

二つの実測値を並べると、

弐号機GR-DAT 1分52秒318
壱号機6MT   1分53秒113

差は0.795秒。

速い方のタイムを基準にすると、約**0.71%**である。


二台には異なる条件がある

この二つのタイムは別の日に記録した。

したがって、気温、路面温度、風、タイヤの状態、燃料量、その日のドライバーの状態なども完全には一致していない。

車両側にも違いがある。

壱号機は2020年式前期型6MTで、最高出力272 PS、最大トルク370 N·m。

弐号機は2024年式後期型GR-DATで、304 PS、400 N·m。

弐号機には出力・トルクの余裕があり、GR-DATによる高速な変速もある。

一方、純正諸元上では壱号機の方が約20 kg軽く、足回りにも変更を加えている。

今回の0.795秒には、こうした車両差と走行条件がすべて含まれている。

この数字が直接示しているのは、条件の異なる二台を同じドライバーが走らせたとき、二つの実走タイムが約0.71%の範囲に収まったということである。

私はそこに注目した。


TC2000換算でタイムの大きさを見る

ホームコースはローカルかつマイナーで、ラップタイムに関する情報が少ない。

1分53秒113と書いても、どの程度の速さなのか読者には伝わりにくいと思う。

そこで、タイムの大きさを共有するための共通尺度として、筑波サーキットTC2000へ換算している。

平均速度をそのままTC2000の全長2,045 mへ当てはめると、

壱号機 約1分07秒9
弐号機 約1分07秒4

となる。

この換算値は、平均速度とコース長から求めた、タイムの大きさを共有するための参考尺度である。

コーナー半径、高低差、加減速区間など、それぞれのコースレイアウトの違いは計算に含めていない。

具体的な換算方法については、別記事
ラップタイムは何を測る数字か ☆ GRヤリスDAT自己ベストを筑波TC2000で試算
に譲る。


変速機が変わっても、速く走るための骨格は共通する

二台のタイムが近づいた理由として、私がまず考えたのは、速く走るための中心部分は6MTでもGR-DATでも共通しているということだ。

ブレーキをどこから始めるか。

どのように荷重を移すか。

どこまで横方向のグリップを使うか。

どのラインを通るか。

どこからステアリングを戻すか。

どの時点からアクセルへ移るか。

こうした部分は、変速機が変わっても必要になる。

ここが成立していれば、操作方法の異なるクルマでもタイムは近づいていく。

今回の二つのタイムを見たとき、私はまずそこに自分の運転の現在地を感じた。


6MTでは、実際にミスも起きた

今回の6MT走行では、明らかな操作ミスもあった。

3速から2速へシフトダウンしたつもりが、実際には4速へ入れてしまった。

シフトアップを忘れ、レブリミッターへ当てたこともあった。

後者について特別な理由はない。

ぼーっとしていたのである。

6MTでは、適正ギアを判断し、シフトレバーを操作し、クラッチを扱い、エンジン回転数と車速を合わせる。

それらを旋回や荷重制御と同時に処理する。

人間が担当するタスクが増えれば、ミスが入り込む機会も増える。

今回の壱号機のタイムには、こうした私自身のミスによって失った時間も含まれている。

その時間が何秒だったのかまでは分からない。


GR-DATでは変速関連の仕事をクルマへ任せられる

GR-DATでは、適正ギアの判断、実際の変速、エンジン回転数と車速の整合といった仕事のかなりの部分をクルマへ任せることができる。

実際に走らせていると、多くの場面で私自身が操作するより速く、正確である。

そのぶん、ドライバーは車体の挙動を扱うことへ注意を振り向けやすい。

これはサーキットではかなり大きい。

一方で、クルマ側の判断と、私の先読みが一致しない場面もある。


私が欲しい2速と、GR-DATが選ぶ3速

このコースには、タイトコーナーが連続したあと、急な上り勾配へ入る場所がある。

私は上りへ備えて、少し手前から2速を選んでおきたい。

ところが、その手前で加速すると、上りへ到達する前にGR-DATが3速へシフトアップすることがある。

Dモードだけでなく、Mモードでも走行条件によって自動変速が介入する。

すると、上り勾配直前でもう一度2速を選ぶことになる。

その場所は、連続するタイトコーナーの最後でもある。

私はそこで荷重と旋回に集中したい。

GR-DATは、その瞬間の車速やエンジン回転数からギアを判断する。

私は、その先にある急勾配まで含めてギアを選んでいる。

この違いによって、私の先読みしたギア選択とGR-DATの判断が食い違うことがある。

実際にサーキットで使うことで見えてきた、GR-DATの興味深い特徴である。


6MTでは変速のたびに駆動力伝達が途切れる

6MTには構造上の違いもある。

シフトチェンジのためにクラッチを切ると、その間はエンジンからタイヤへの駆動力伝達が途切れる。

ギアを選び、クラッチを再びつなぐことで駆動力が戻る。

一回ごとは短時間でも、一周の中では何度も繰り返される。

GR-DATでは、ドライバーがクラッチを切る操作がなく、変速も短時間で完了する。

この違いも、ラップタイムを構成する要素の一つになる。


0.795秒を距離にすると24.6 m

3.5 kmのコースにおける平均速度は、

弐号機:112.18 km/h
壱号機:111.39 km/h

だった。

同じ位置から同時にスタートしたとすると、弐号機が一周を終えた瞬間、壱号機は約24.60 m後方にいる計算になる。

0.795秒を競技の結果として見れば、はっきりとした差である。

一方、世代も変速機も仕様も異なる二台を同じ私が走らせた実走記録として見ると、その差は約**0.71%**に収まっている。

TC2000換算値、

壱号機 1:07.9
弐号機 1:07.4

について同じ計算をすると、全長2,045 mではゴール時の差は約15 mとなる。

数字だけでは捉えにくい0.795秒を、距離として考えるための目安にはなる。


0.795秒が示す、今の私の到達点

別記事
自分仕様2020年式6速MT vs 2024年式8速GR-DAT【閲覧用】
で整理したように、私はこの二台を実際に所有し、両方を走らせている。

だからこそ、この0.795秒には自分なりの意味がある。

私がうれしかったのは、0.795秒という差そのものよりも、変速機や世代が変わっても、自分が身につけてきたドライビングの共通部分がある程度機能したのではないかと思える結果が得られたことである。

私はこれまで、ストリートやワインディングで法令を守りながら、一人でコツコツ運転を重ねてきた。

操作を丁寧につなぐこと。

クルマの挙動を見ること。

荷重を意識すること。

そうして積み上げてきたものが、サーキットでも機能している手応えを、この二つのタイムから感じることができた。

二台の実走タイムは**0.795秒、約0.71%**の範囲に収まった。

私はその結果を、これまで身につけてきたドライビングの共通部分が、異なる二台でもある程度機能したことを示す一つの手応えとして受け取った。

だから私にとって、この0.795秒が今の自分の到達点である。

これまで積み重ねてきたものを確認する数字であり、

同時に、

これからさらに縮めていくための基準でもある。


理屈コネ太郎のラップタイム記録
➡ サーキット走行でのタイム変化の記録【閲覧用】


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作成者: 理屈コネ太郎

元消化器内視鏡医・産業医。現在は社会・人間行動・構造分析をテーマに執筆活動を行う。定年退職後はヨット・ボート・クルマなど趣味と構造研究の日々を過ごす。

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