OM-1の取扱説明書は難しい?|282ページを使って感じた「事典型」マニュアルの特徴

OM SYSTEMのOM-1には、かなり分厚い取扱説明書が付属しています。

取扱説明書部分だけで282ページ。各部の名称、ファインダー内の表示、撮影機能、カスタマイズ、外部機器との接続まで、OM-1に搭載された膨大な機能がほぼ網羅されています。

ただし、この取扱説明書は、最初から順番に読めばOM-1を体系的に学べる「教科書」のようなものではありません。

実際にカメラを操作し、

「これはどう設定するんだ?」

という疑問が生じたときに、目次や索引から該当部分を探して解決する。『理屈コネ太郎』が使ってみた印象では、OM-1の取扱説明書は、むしろOM-1事典と呼ぶ方が実態に近いものです。

読み物として面白い取扱説明書ではありません。しかし、書かれている通りに操作すれば、ほぼ書かれている通りの結果になる。その正確さと網羅性については、かなり信頼できる取扱説明書だと感じています。

OM-1の取扱説明書(以下、取説)は、厚さ約15mm、目次7ページ、取説部分282ページ、索引約5ページの大作です。

ボディ表面に与えられた名称部位は29か所、ファインダー内に表示される情報シンボルは88種類。

OM-1の小さな機体には、実に多様な機能が実装されていることがよく分かります。

OM-1の取扱説明書の構成

取説の構成自体は、いたってシンプルです。

まず各部の名称の説明があり、続いて、

  1. 準備する
  2. 撮影する
  3. メニューの使い方
  4. 撮影機能を設定する
  5. 再生する
  6. カメラをカスタマイズする
  7. カメラ本体をセットアップする
  8. 外部機器と接続する
  9. ご注意
  10. 資料
  11. 安全にお使いいただくために

という章立てになっています。

構成そのものは単純ですが、中身は盛り盛り、盛り沢山。

情報があふれています。

OM-1の取説は「教科書」ではなく「事典」に近い

全体をざっくり俯瞰すると、この取説はOM-1事典のような内容です。

それなりに写真経験のある人が、実際にOM-1へ触れて撮影し、

「これはどうするんだ?」

という疑問が出てきたら、その都度取説へ当たって問題を解決する。

そのような使い方を前提に作られているように感じます。

したがって、

「え~、あたし、こんな難しいの分かんなあい~」

という御仁には、あまり向かない機種かもしれません。

「やれば絶対にできる。だって人が作った機械だし」

くらいの確信がないと、この面倒臭さを乗り越えるのは少々大変です。

説明に一本の「芯」がある取説ではない

その理由の一つは、この取説に、最初から最後まで読み進めればカメラの考え方が自然に理解できるような、一本の説明の流れがあまり見当たらないことです。

困ったときには、目次や索引、ファインダー内のシンボル、カメラ各部の名称などを手掛かりにして、

「ユーザーがその都度、自分で調べて解決してください」

というスタンスの取説です。

OM-1を購入した当初、『理屈コネ太郎』も取説の厚さと、説明の芯のなさには少々驚きました。

しかし現在は、

実行 → 疑問発生 → 取説で確認 → 再実行

というサイクルで、なんとか使えています。

むしろ、OM-1の場合はこちらの学び方の方が向いている気がします。

書いてあることと実際の動作が一致する

一方、この取説には非常に大きな長所があります。

いまのところ、記載内容に遺漏を感じることがほとんどなく、書いてあることと実際のカメラの動作にも齟齬を感じません。

制作陣が、かなり完璧を期して作成したのでしょう。

OM-1では、取説に書いてある通りに操作すると、概ね書いてある通りの現象が起きます。

これは当たり前のようですが、機械の取扱説明書として非常に大切なことです。

取説によっては、書いてある内容と実際の動作が微妙に違っていたり、必要な説明が抜けていたりすることがあります。

そういう経験をすると、その取説を信頼する気持ちは一気に醒めてしまいます。

面白くはない。でも信頼できる

OM-1の取説は、読んで楽しいものではありません。

最初から読み通して操作方法を覚えるための本でもないと思います。

しかし、

「ここを調べれば答えがある」

と思える取説です。

面白くないけれど、完結している。

必要なことが書いてあり、書いてある通りに操作すれば実際のカメラもその通りに動く。

その意味では、非常に信頼できる取扱説明書だと、いまのところ『理屈コネ太郎』は思っています。

ちなみに、Lumix G100の紙媒体の取扱説明書は、小難しい内容についてはWeb版を参照してください、というスタンスです。

それはそれで合理的なのでしょうが、紙の取扱説明書だけでかなり深いところまで完結しているOM-1と比べると、紙媒体としての完成度には少し差を感じます。

OM-1の取説は、扱いやすい取説ではありません。

しかし、使い込むほど、

「これは読むものではなく、引くものなのだ」

と分かってきます。

OM-1事典。

『理屈コネ太郎』には、その呼び方がいちばんしっくりきます。


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著者紹介は
理屈コネ太郎の知ったか自慢|35歳で医師となり定年後は趣味と学びに邁進

作成者: 理屈コネ太郎

元消化器内視鏡医・産業医。現在は社会・人間行動・構造分析をテーマに執筆活動を行う。定年退職後はヨット・ボート・クルマなど趣味と構造研究の日々を過ごす。

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